ずっと ページ4
夢を見た。
真っ暗でひとりぼっちな夢。
貴「誰かっ！」
叫んでもこだまするだけ。
寒い。
いっそこのまま死んでしまおうか。
目をつぶる。蘇る記憶。
楽しかったこと。嬉しかったこと。
そんな日々より辛い日々のほうが多かった。
...あぁ、今なら逝けるかもしれない。
....いかんとって...。
確かに聞こえた声。
聞き覚えのある声。
大好きな声。
貴「...ﾊｯ」
目が冷めたのはいつも通りの病室のベットの上。
貴「....私、なにして...」
死のうとした。命を捨てようとした。
最低だ。
貴「....」
隣には気持ちよさそうに眠る光くん。
わざわざ来てくれたんだ。私のために。
それなのに...それなのにっ...！
お礼も言わずに、寝たまま楽して死のうとした。
貴「ハァ...」
この寝顔も、あと何回見れるだろうか。
私は、光くんより早く死ぬ。
貴「...光くん」
神様は不平等だ。
生まれたときから、人生が決まってるなんて
本当なら今頃、高校に行って、放課後友達と遊んだり部活したりして、文化祭とか体育祭とかクラスのみんなと一致団結したり...。
本当なら今年で卒業なのに...。
私だって...。
...気づいたら泣いてた。
止まんなかった。
貴「うっ...ひっぐっ...ゔぇっ」
光くん...。
私は光くんが好きだよ。
ずっと、好きだった。
7歳も離れてるのに、大好きだった。
初恋だった。
今も好きなんだよ...。
貴「うぇええっ...ふえっぇっ..ひっくっ」
つたえたいよ...。
ねぇ...！
なんで.....。
なんで私なんだろう...。
いつか死ぬのに恋をするなんて馬鹿げてるのかな。
神様はきっと私が嫌いなんだ。
ねぇ、光くん。
私は誰にも聞こえない声で言った。
好きだよ、と。
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作者名：ルルネ | 作成日時：2018年4月1日 21時
