【妖怪ウォッチ】元暴れ大蛇と元暗殺者に愛されたい人へ (ページ8)

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囁かれても困る　[オロチ] ページ8

※〇〇しないと出られない部屋のネタです。苦手な方はご注意下さい。

何も無い真っ白な部屋に二人の男女がぽつんと立っていた。

窓が内側からでも厳重に防ぐ結界が張ってあり、家具もテーブル以外何もなかった。

Aがドアを足で蹴り破ろうと苦戦している中、オロチはテーブルに置かれたあるコピー用紙を見つめる。

A4ぐらいの大きさのある紙には白黒でこう書かれていた。

『※ここは相手の惚れた所を言って照れさせないと出られない部屋です。回数に限りは無く、お互いが照れさせれば鍵が開きます』

「·········」

馬鹿馬鹿しいと言いたいところだが、この説明書きが本当のことを述べているのであれば、このお題をクリアしなければ出られない。

つまり、壁やドアを破壊しようとしても物理では解決できないことだ。

すると、疲れ切ったのかコツコツとヒールの音を鳴らしたAはオロチの元へ近づく。

「そっちはどうだった。壊せそうだったか？」

「無理。この部屋内側からでも閉められる様に強力な結界が張ってたから、物理攻撃でも破れなかった」

足のヒリヒリとした痛みで、少し赤く腫れる。

こんなものがあったんだが···とオロチはAに例の用紙を彼女に渡す。

「これは···、まじか」

足だけでなく、顔も赤く染まり考えこんでしまう。

でもまだ相手に惚れた所をまだ言ってないから、Aが今赤面してもカウントされないだろう。

「これって、絶対？」

「ああ」

当の彼は別に恥ずかしがる様子も、顔を赤くさせる様子など無く

温度を感じない、無表情で口走っていた。

一度彼らが黙り込んで数秒経つと、口を開く。

「まず私にとって自慢の彼女だろう、それに性格や容姿にも申し分ない。帰ってきた時に抱きしめてくれる時とか」

「え、ちょ···」

「実際お前は優しい、動物の保護の時にも進んで協力してくれる」

「オ、オロチさん？？」

「逆に欠点だと思うのは···料理下手な所か？」

何の恥じらいもなく、つらつらと褒め言葉を並べている様子にAは混乱する。

いくら脱出の為とはいえ、ここまで配偶者から甘い言葉を掛けられて一瞬で顔が熱く感じる奴は必ずいるだろう。

しかも、このお題は「お互いを照れさせなければ開かない」という意味深な内容だ。