検索窓
今日:27 hit、昨日:15 hit、合計:561 hit

前髪 [影オロチ] ページ5

※【毎日が幸せ|お題ガチャ|お題箱】から


___________________________
私の恋人である、影オロチさんは右目を隠すように前髪が長かった。


彼は別に気にしているわけでもなく、寧ろ数十年前からずっとらしい。


でもいつもより長すぎているから、そろそろ切ろうかと彼はそう言っていた。


不本意に「私が前髪切ります!」と言ってしまうと、彼は何も言わなかったが嬉しそうにしていたのは覚えている。


だが、実はあることを考えていて切ろうか迷っている。それは






「(前髪切ると、影オロチさんの印象変わるし、何より綺麗な顔を他の人たちに見られる…!)」


自分でも嫉妬深いことは分かっていた。


でも、彼の綺麗な顔立ちが更に見えやすくなると別の女性が寄って来るんじゃないかと懸念する自分がいた。


座ってもらっている影オロチさんを前に、ヘアカット用の鋏を手にしたまま考え込んでいると


影オロチさんが口を開く。


「……まだ切らないのか?」

「あ、いやどこまで切ればいいかなって…」

「肩まででいい、あまり自分の顔を目立たせたくないからな」


彼が言ったことに、自分が考え込む必要はなかったようだ。


彼は元暗殺者だった身なのか、どうやら右目を隠すほどの長さは絶対みたい。


安堵してようやく前髪を切り揃えると、彼は私に話しかけた。


「何故、前髪切るだけであんなに考え込む必要がある」

「べ、別になんでも…」

「誤魔化すなら、お前が好きだと言っていた菓子はやらんぞ」

「言います、言いますから!」


流石に食べたいぐらい好きなお菓子を禁止されたら、嫌でも言ってしまう。


今まで言えなかったことを、彼に伝えるしかなかった。


大好きな人に、嘘なんてつきたくないし。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 影オロチ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:日依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sorairokopikku2  
作成日時:2024年1月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。