【シャドウサイド】宵闇に咲く、梅の花【※一話だけ】 (ページ17)

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宵闇　1－16 ページ17

ナツメはケースケに妖怪ウォッチの使用方法を教えると、今度は一つのアークを渡す。

ケースケ「なにこれ?鍵?」

ナツメ「それはコマさんのアーク。それをそれをウォッチの横にさして回す！」

姉に言われる通りに鍵を差すと、『ライト』と軽々しい声がする。

ケースケ「開いた！」

ナツメ「そこにアークをかざしながら言って！召喚！オレの友達、出てこいコマさん！」

ケースケ「しょ、召喚！オレの友達、出てこいコマさん！」

すると、ケースケの影から『コマさん』が姿を現す。

といっても、普通の白い犬と大差ない姿だ。

ケースケ「ええ！ただの犬が出てきたんですけど！」

ナツメ「で、またアークを差し込んで今度は逆に回す！」

ナツメの言う通りに、逆方向に回すと

コマさんは青い炎に包まれ、姿が豹変した。

犬とは思えない鋭い瞳、狛犬のような多量の鬣が凶暴さを強調する。

ケースケ「な、なな…何だこれ！？」

流石のケースケも姿の変わりように、驚く。

コマさんは背中に亡霊番長を乗せると、怪魔の周りを回る。

怪魔が動きを見ていて戦いに集中しなくなった隙きに、月夜は怪魔の後ろを攻める。

月夜「戦いの途中によそ見やなんて、なにしとうやす!」

怪魔が月夜の言葉にハッとして上を後ろを向くと、

思いっきり、鉄扇で殴られて倒れる。

月夜「今や!」

月夜の合図に、コマさんが空高く跳ぶと同時に、亡霊番長は上から怪魔に会心の一撃を食らわす。

ケースケ「やった!」

戦闘不能状態になり、黒いモヤがなくなると男は怪魔から元の姿に戻った。

月夜「それにしてもあの男から出た黒いモヤ…、一体何やったんや…?」

明らかに意図的なやり口だったとしたら

誰が黒いモヤで暴走化させたのだろう。

ケースケ「亡霊番長、君が誰なのか分かったよ。」

ナツメ「え?」

さっきまで怖くて怖気づいていたケースケは、何故か亡霊番長に対してだとまったく怖がらなかった

それはナツメ達も疑問に思う。

ケースケ「どこか懐かしい感じがするって思ったんだ。そのミサンガ…『ケンちゃん』なんでしょ?昔、オレを助けてくれた…『ケンちゃん』なんでしょ?」

亡霊番長「…………。」

彼の腕には学ランや体格とは意外な、澄んだ緑のミサンガ。

そのミサンガが、ケースケの言う『ケンちゃん』の証拠なのだろう。