【シャドウサイド】宵闇に咲く、梅の花【※一話だけ】 (ページ16)

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宵闇　1－15 ページ16

月夜「(彼奴はっ…、怪魔!?)」

変化してしまった彼の姿が、怪魔だということに気づく時間は長くなかった。

怪魔は亡霊番長に攻撃を仕掛けた。

なんとか抑えるも、怪魔の力が強く、このままでは負けてしまう。

月夜「亡霊番長!ウチも加勢するで!」

亡霊番長「！」

月夜は愛用の鉄扇で怪魔の攻撃を防いだり、鉄の部分となる親骨で怪魔を攻撃する。

月夜の鉄扇は、普通の鉄で出来ているわけではなく、クロムで出来ているので

そう簡単には折れたりしないが、バチバチと金属が擦れて火花が咲く。

暫く、怪魔と戦っていると

アキノリ「亡霊番長と何かヤバイのが戦ってるぞ!?」

月夜「アキノリ!」

外から、妖怪探偵団が戦いの様子をちょうど目撃したのだ。

ウィスパー「あれは人間の内なる悪意が膨れ上がって生み出した特別な妖怪、怪魔のようでウィス!」

アキノリ「要するに悪者か!でも、あそこの鉄扇持ってる奴は誰だ?」

ウィスパー「あの方は、蛇王カイラ様の従者である月夜さんでウィス!」

ナツメ「え、月夜って…、あの月夜ちゃん?!顔は似てるけど、どういうこと?」

月夜「っ……!皆!!」

戦いに専念している中、ナツメ達に叫ぶ。

もう、隠すことなど必要ない。

月夜「お願いや!今の敵は亡霊番長ではなく、ウチらの相手をしている怪魔や!ウチら二人だけじゃ押されてしまう。そっちも協力して!妖怪探偵団なんやろ!」

月夜の真っ直ぐな一言に、ナツメはその言葉に頷く。

自分たちだけ、何もしないというわけにはいかないのだ。

ナツメが何時ものように、妖怪ウォッチで妖怪を召喚しようとしたのだが

ウォッチがひとりでにナツメの腕から外され、

ケースケの腕に回したのだ。

ウィスパー「妖怪ウォッチがひとりでに!」

ナツメ「ケースケ!」

ケースケ「何これ!どういうこと!?」

何故、このときだけケースケにウォッチが装備されたのかがわからなくなる。

だが、その状況でもアキノリは彼に使用方法を説明する。

アキノリ「それを使って味方になってくれるいい妖怪を呼び出すんだ！」

ケースケ「何で俺が?姉ちゃんがやってよ!」

月夜「今そんなこと言ってる場合か!妖怪ウォッチからしたら、ケースケが今使うべきだと考えたんやろ!早うにせんと、亡霊番長がやられるで!」

確かに、このままではいくら戦闘力があったとしても

亡霊番長が押されてしまえば、怪奇案件どころではない。

ケースケ「…分かった。で、どうするの?」