【シャドウサイド】宵闇に咲く、梅の花【※一話だけ】 (ページ15)

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宵闇　1－14 ページ15

「っ!!!痛えっ!!お、折れる!死ぬっ…!!!」

月夜「ほんま、最近の子供は親の言うことも聞かずに、こんなことばっかりしてるんやな。こんなことばっかしとったら、亡霊番長が来るかもしれへんで?」

男が腕を捕まれ、折れるか折れないかの激痛を感じているなか、月夜は何事もなく余裕そうに言葉を発する。

月夜「ほら、ケースケ。このクソガキ共に言ってやんな。何故降参しないかを」

何故自分の名前を知ってるのかと疑問に思うも、ケースケは月夜の言葉に

また目が覚める。

ケースケ「俺は…俺は親友に誓ったんだぁぁ!!!」

彼の覇気のある声が木霊した途端、頭上から何かが広場の中心に降ってきた。

月夜「………やっぱり、来たか。」

『彼』が来たことに安堵し、掴んでいた男を放す。

そして、姿が現れると男は怯えるような声で呟く

「学ランの大男……そうか、テメェが…!」

すると、亡霊番長が次々とストリートギャング達を威嚇したことで

リーダーの男以外のストリートギャング達は一目散に逃げていく。

『…負けんな、ケーちゃん。』

亡霊番長とケースケは目を合わせると、亡霊番長がケースケのことを

『ケーちゃん』と呼んだような気がした。

すると、ケースケはあることに気がついたのだ。

ケースケ「…そうか、分かったぞ!」

「あ？」

ケースケ「お前達ストリートギャングは、目立っていじめているように見えなくても、いじめっ子と同じくらい腐った連中なんだ!亡霊番長は町に住むストリートギャングを成敗していたんだ!」

それだと、辻褄が合う。

いくら、いじめっ子が減ったとしても

裏で人のお金を盗んだり、私利私欲の為に暴行を繰り返す連中がいなくなったとは言い切れない。

だから、亡霊番長がいじめっ子ではなくても

表社会に生きる人間達から守るために、成敗していたということだ。

月夜「ようやく、あんたも気づいたんやな。」

ケースケ「あの…、さっき何で俺の名前知ってたんですか?」

月夜「…さあ?まあ、でも後から分かるで」

知らないのか知ってるのか曖昧な返事をすると、月夜は急に悪寒を感じる

月夜「(っ…!?この妖気、あの男から…?)」

「ハ…ハハッ…。てかさぁ、あのでかいフランケンみたいなの、お前達の仲間なわけ?まぁ、いいや。まとめて面倒見てやるよ!」

至って何も妖怪に関するようなこともなく、男は黒いモヤのようなものを身にまとう。

そして、人間体だった姿が黒い化物に変化した。