【シャドウサイド】宵闇に咲く、梅の花【※一話だけ】 (ページ14)

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宵闇　1－13 ページ14

恐らく、奴らは裏社会で悪事を働く、ストリートギャングだろう。

本来は、ナツメ達の護衛をするのが目的なのだが、

月夜はこの状況に苛立ちを感じた。

月夜「大してろくなこともせず、こんなに悪事働いて遊び呆けているんやな、今の若い人間は。」

そんな風に呟いていると、とんでもない状況を間近とした。

月夜「っ!ケースケ!」

隠れて見ていたケースケが、取り巻きの男達に見られてしまい

広場に投げ出されたのだ。

「オレたちの秘密の集会見られちまったか。てことは、ただじゃ返せねぇよなぁ?東京湾にでも沈めちまうか」

ヤクザでもないのに、東京湾に沈めると言う男。

すると、今度は男たちはケースケを殴り、蹴りの繰り返しをするばかり

そして、男はケースケにこのような脅迫をかける

「許してほしいか?だったら大きな声でこう言うんだ。

『降参します、シバタさんの事は誰にも話さないので許してください』ってなぁ!」

男は、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながら痣だらけのケースケを、見下す。

「さぁ、言え!!この弱虫毛虫がっ!」

ブチッ

月夜はケースケに対する男の言葉により、顔や身体に青筋の音を立てた。

何よりも、この言葉に苛立ちを感じ、人間に対する怒りが強くなる

ケースケ「……言うもんか」

「あ?」

自分にしか、聞こえないような小さい声で答える。

ケースケ「っ…俺はな、お前らみたいな悪い奴に降参はしないんだっ!」

「んだと、ゴラァ!!」

自分の命令を蔑まされるような発言にキレた男は、ケースケに拳を震わそうとする。

殴られると思い、目を瞑るのだが

ケースケには殴られるような痛みを感じなかった。

ケースケ「………え?」

目を開けると、目の前には青い服の女。

そう、青い服の女こそが

月夜の本来の姿。

男は、抵抗しようと掴まれた腕を動かそうとしても、びくともしない。

握力が強くて、抵抗することが不可能だった。

「し、シバタさん!此奴です!此奴が俺に口喧嘩を買った奴です!」

「な、何だよお前!俺の邪魔すんな!」

月夜「…大して学歴も道徳もなく、自分よりも弱い奴には暴力を振るい、強者には媚び諂う。

調子乗ってるんじゃないよ、このクソガキ共。」

月夜の目は、弱者どころか

人間を見ているような目ではなかった。

そして、月夜は男の腕を折るつもりで、グググ…と、作用点の反対方向に力を加える。