【H×H】宝石の涙を流す (ページ9)

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金剛　1ー8 ページ9

暫く走ってはいるのだが、まだ脱落者がいない模様。

スタミナ切れになっても可笑しくない状況で、ゴンは何かを感じ取った。

なんでも、トンネルの右側から甘い匂いがするとのことだ。

一緒に走っていたレオリオも、その違和感に感じていたみたいだった。

そして更に三時間後、流石に走ってもまだゴールにたどり着けないことにクラピカは疑問に感じた。

クラピカ「そろそろ三時間…、一体いつまで走ればいいんだ？」

精神力が試されている中、Aもまたある違和感を感じ取った。

A「甘い匂い…。」

ゴン「Aもそう思うよね？また右の穴からするよ。」

Aは五感に優れているため、今度はゴンよりも早く匂いを感じていたみたいだった。

ふいにAは後ろを振り向くと、鞄を片手に走っていたレオリオの息が苦しそうに荒くなっていた

ハア…ハア…と息苦しく、汗もダラダラと垂れている。

レオリオ「(信じられねぇ…、もうどんくらい走っているんだ？何で誰一人脱落しないんだ？)」

ハンター試験がどれだけ恐ろしいのかが、一目瞭然だった。

まだ始めたばかりの一次試験で、試験官に着いていくだけなのに

走るだけじゃ意味が無いということを分からせる。

レオリオはハンター試験ではなく、ハンター試験を受ける受験者を完全に舐めていたと悟る。

何故なら、これだけ走っても未だに脱落者はいない。

限界の域まで達してしまいそうになったのか、レオリオは立ち尽くしてしまう。

ゴン「レオリオ！」

ゴンが助けに行こうとしたのだが、キルアがそれを拒む。

キルア「お前ら馬鹿か？」

ゴン「え？」

キルア「其奴はもう終わりだ。」

ゴン「そんなことない、それに放っておけないよ！友達だから」

友達というワードを聞いた途端、キルアの目は一瞬だけ見開く。

それとは逆で、Aはゴンの行動にある人と重なっていた。

レオリオ「ふざけんなよ…、絶対ハンターになったるんじゃクソッタレェェェェェェ！！！！」

トンパ「おい、無理すんな！少し安め…！」

レオリオ「うるせえ、グズグズしてると置いてくぞ…！畜生…足が動かねえ！」

彼が苦しそうに呼吸をしている様子を、クラピカは彼を悟る。

クラピカ「金のためだけじゃないな」

レオリオ「うるせえ！金だ金、他に理由は無ぇ！」

A「(レオリオさん…どうしてそんなにハンターになってまでお金を欲しがろうとするんだろう」