金剛 1ー47 ページ49
シルキー「Aっ…来ない…で。」
師匠は一度Aに目を向けたが、黒い手がそれを拒む。
シルキー「グッ…グアッ…!」
A「師匠!!」
男は師匠に殺意の籠った眼差しで、徐々に師匠の首を片手で締めていた。
いくら魔女とはいえど、男と女では力の差は大きく違う。
男は一瞬だけAを見ると、チッと舌打ちした。
「シルキー。お前さ言ってなかったか?『私は皆を愛してる』ってよ…。俺は存在が光の様なお前を昔から愛していたのに…お前は俺を裏切りやがったな?」
シルキー「っ………」
「しかもこんなビョーキ持ちのガキばっかり構っててさ、ムカつくんだよね、そういうの」
男は何言ってるのか意味が分からなかった。
でも一つ分かるのは、男は
だが男は嫉妬深く、異様な執着のする性格が災いしたのか、完全にストーカー化していた。
そして、彼女に対した愛する気持ちと他の相手を恨む負の感情が溢れ出し
遂には、師匠の殺害を目論んでいた。
Aがいないことをいいことに、人格者として師匠の部屋まで誘導された途端
歯切れの悪い包丁で師匠の下腹部を思いっきり刺した。
そんな状況で帰ってきたAが目撃したことで男の表情は更に悪化させた。
「痛ぇよな?シルキー。でもよ、これはお前が悪いんだぜ?」
Aを庇うように片腕で抱きしめ、もう片方の腕で痛む腹を抑えたシルキーに対した言葉は
当に黒い宝石の様にどす黒い。
「シルキーのことは…、俺が一番愛していて、誰よりも好意を寄せていたというのに、お前は男ではなく、そんな両親に捨てられた子供を選んだ…。
……ふざけんなよ!この女狐!黒魔女!嘘つき女!
俺含め、皆には愛してるって言いながら笑顔を向けてた癖に、愛の対象はこんな子供かよ!!そんな俺達を騙す奴なんざ、人を助ける白魔女じゃねえ、呪いや災厄を落とす黒魔女の行為にしか過ぎねえんだよ!!」
ふざけるなこの野郎!!と怒りの頂点を露わにした男は
涙を流しながら、シルキーに罵声を浴びせる。
Aはそんな男を見つめた。
なにそれ、そっちが勝手にストーカーしておいて、愛してるくせに師匠を卑下するのか?
なぜ師匠が、こんな男に腹を刺されなければならないのだ。
どうせ、師匠を殺した後自分も刺して永遠に師匠と一緒になれるという幻想を夢見ているのか。
Aには、男への怒りと疑問を浮かび上げる。
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詠深ラルカ(プロフ) - 夢主ちゃんの設定がすごく好きです!更新楽しみにしてます! (8月30日 20時) (レス) id: 092754fdcc (このIDを非表示/違反報告)
日依(プロフ) - 誤字があったんですね、ごめんなさい!(再コメント) (8月15日 19時) (レス) id: 08b2d47db3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 日本語が所々おかしいです (8月11日 13時) (レス) @page8 id: d3f0b9640f (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑。(プロフ) - 日依さん» 理解してもらえて嬉しいです。 (8月4日 11時) (レス) id: c9d3637369 (このIDを非表示/違反報告)
日依(プロフ) - 了解です! (8月4日 11時) (レス) id: 08b2d47db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sorairokopikku2
作成日時:2023年6月19日 18時