金剛 1ー43 ページ45
A「は………?」
彼女の言っている意味が分からなかった。
今、『魔女』って言わなかった?
シルキー「私は人間ではないの。もう数百年も歳を重ねているし…、その証拠に、貴方体の痣があったところ見た?」
A「…あ」
言われた通りに少しだけ袖や服を捲り、痣のあった腕や腹を見てみると
痣が一つもなかった。
殴られた時の青痣や、痛ましい傷も無く
自分の肌は綺麗な薄橙色をしていた。
本来、痣は残るままなのだが、完全になくすことは普通の人間では中々できない。
シルキー「腕やお腹を見せてもらったけど、貴方誰かに暴力振るわれているの?」
A「そ、それは……。」
シルキー「私には分かるわ。貴方、『涙石病』を患ったことで虐待されてるんでしょ」
A「…!」
彼女には全てお見通しのようで、隠し事や嘘も見抜けそうだ。
真っ白な瞳は、Aの水色の瞳に向ける。
Aはずっと黙っていれば、シルキーと呼ぶ魔女に迷惑が掛かると思って全てを話した。
急に奇病を患ったこと、前は優しかったのに虐待をするようになった両親のことも。
魔女は何も言わずに頷きながら、Aの話しを聞いていた。
話し終えると、魔女は「今まで辛かったわね、もうあんな両親の元に行かなくていいのよ」と
頭を撫でた後、携帯で警察に通報する様子を見せた。
家族ではない、ましてや血の繋がりもない人に助けられることなんて滅多にないのに。
彼女はお人好しなのか、優しいのか分からなかった。
でも、Aはそんな彼女になりたいという意思が片隅にあり、
「この人の様な人を助ける魔女になりたい。」
そう、思うようになった。
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詠深ラルカ(プロフ) - 夢主ちゃんの設定がすごく好きです!更新楽しみにしてます! (8月30日 20時) (レス) id: 092754fdcc (このIDを非表示/違反報告)
日依(プロフ) - 誤字があったんですね、ごめんなさい!(再コメント) (8月15日 19時) (レス) id: 08b2d47db3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 日本語が所々おかしいです (8月11日 13時) (レス) @page8 id: d3f0b9640f (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑。(プロフ) - 日依さん» 理解してもらえて嬉しいです。 (8月4日 11時) (レス) id: c9d3637369 (このIDを非表示/違反報告)
日依(プロフ) - 了解です! (8月4日 11時) (レス) id: 08b2d47db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sorairokopikku2
作成日時:2023年6月19日 18時