【H×H】宝石の涙を流す (ページ40)

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金剛　1ー38 ページ40

ゴン「まずどこ行く？」

キルア「決まってんだろ、コクピットだよ」

A「それ怒られない？」

三人で走りながら、雑談みたいな話をしていると、そのとき

キルア「…？」

キルアは通り抜けた道に振り返る。

だが、そこには誰もいない。

でも確かに、確かに誰かの殺気帯びた視線がキルアに向けられたことだけは分かった

ゴン「どうしたの、キルア？」

キルア「んーん、何でもねえ」

A「だといいけど…」

飛行船のコックピットは鍵が開けられていたので、いとも簡単に侵入するゴンとキルア。

A曰く、「入らないし、やめた方がいい」と言ったのでAはドア付近で待つことにした。

暫く経つと、二人が室内から乱雑に放り出されてしまう。

キルアは「入られたくないなら、鍵でも掛けろよ！」とキレていたのだが。

あーあ…、だからやめとけと言ったのに…；

少し歩き疲れ、景色の見えるベンチに座る。

少し外を窓越しに覗き込むと、宝石のように街頭や街の光が夜中でも辺りを明るくさせている。

ゴンは、キリコさんという人に運んでもらったことがあるらしい。

キルアは自家用機があるから、夜景一つでも簡単に観ることができるらしい。

ゴンは「ちょっと、ムカつく」と、棒読みのような口調で呟いた。

キルア「ウチの使用人、２００人くらいいるし」

A「多すぎじゃない？流石お金持ち」

ゴン「お父さんとお母さんって何をしている人なの？」

キルア「殺し屋」

ゴン「二人共？」

ゴンはキルアの両親が殺し屋をしていることに疑問を抱いた顔をすると

キルアは思わず吹くように笑った。

キルア「マジ面でそんなこと聞き返したの、お前が初めてだぜ？」

どこまで本気なのかわからない子ってのがチャームポイントだったと悔やむ反面、笑いが滲み出るキルア。

彼の話だと、家族全員暗殺家業を営んでいる。

そして、キルアが一番暗殺者として期待されているのだ。

だが、当の本人は親にレールを敷かれたような人生に嫌気が差し

「自分の将来は自分で決める」と告げると、家族全員が本気で怒ったとのこと

特に母親が、一番暗殺者としての素質があるんだと号泣しながら力説するほどらしい。

そんな家庭環境で、キルアがよく不良にならなかったなと思ったA。

その後、喧嘩に発展し

母親と兄を半殺しにしてから、このハンター試験を受けたという。