【H×H】宝石の涙を流す (ページ35)

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金剛　1ー33 ページ35

A「(怖すぎる……)」

料理にする…、つまり包丁などの刃物で切り刻んでしまいそうなくらいに滅多打ちにさせられるということだ。

ソファに座るメンチの両手には切れ味の良い包丁を持っているとは思いたくないが、光の反射で刃の部分が見えたような気がする。

キルア「へえーその料理ってやつ、ちょっと見てみたいな。」

A「(キルア、もしかして気づいてる？)」

キルアのお願いを聞いていたが、彼女は呆れ顔で答える。

メンチ「たっく…これだから素人は嫌なのよね、分かったわ。255番、あんたに美食ハンターとはどういうものかよく分からせてあげる。他の受験者たちもお土産代わりに見ておくといいわ。」

器用に二本の包丁を腰に回したベルトに戻すと「１時間ほど待ってくれ」と言いながら、メンチは素早い速度で森の中へと消えていった。

メンチがいなくなった静けさと緊張感が、時間を遅く感じさせる。

そろそろ１時間後になるところで、彼女は本当に戻ってきた。

軽々しく挨拶をすると、緑の粉塵を入れた小瓶を受験者達に見せた。

レオリオ「何だありゃ」

ゴンは小瓶に近づいて、緑の粉塵が何なのかを不思議そうに見つめると、直ぐに気づいた。

ゴン「苔だよ、でも普通のとは違う。」

メンチ「あら坊や、よく分かったわね。」

トードー「苔だと？」

ブハラ「あれは…」

食べ物に関するもののはずが、普段食べるどころかあまり注目しない苔を持ってきたことにトードは驚く。

同じ美食ハンターのブハラは、その苔が何なのかに気づいていた。

メンチは普通の苔じゃないと言って、苔をみじん切りにして白いご飯にまぶした。

メンチはソレを食べてみろとトードーに指示したが、勿論そんな彼が直ぐに従う訳では無い。

すると、ゴンが代わりに食べると言ってスプーンで掬い、無邪気な子供のような笑顔で一口運ぶ。

レオリオ「止めとけゴン！腹壊したらどうすんだよ！」

キルア「ゴンなら大丈夫かぐらい分かるさ。」

A「異変を感じたなら、吐き出した方がいいよ。」

約３回ほど咀嚼をすると、ゴンは怪訝な面持ちに変わった。

まるで、不味くはないが思ってた味と違うみたいな。

レオリオ「まずいんだろ、さっさと吐き出してしまえ。」

ゴン「んーん。」

レオリオ「美味いのか！？」

ゴン「んー、別に。」

レオリオ「どっちなんだよ！」

ゴン「だってこんな味初めてだもん、不思議な味としか言いようが無いよ。」