【H×H】宝石の涙を流す (ページ33)

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金剛　1ー32 ページ33

受験者は皆納得がいかず、料理の試験一つで不合格になることが不服だった。

メンチは電話で誰かと合格者のことについて揉めているようだったが、ゴンが話している最中に受話器に耳を貸す。

ゴン「待って、タンマ！タンマだからね。」

メンチ「ちょっと！何すんのよ返しなさい！」

ゴン「だって俺、ハンター試験に受かって父さんに会わなきゃならないんだ！」

ゴンの発言からして、恐らくゴンの父親はハンターであることが分かる。

A「(父さん…か。)」

子供が親を敬い、尊敬する眼差しにAは彼に同情する反面羨ましいと感じた。

前の自分もきっとこんな様子だったのかもしれないが、今は親なんて考えたこともなかった程にだ。

メンチは自分である試験管が合否を決めるべきだと主張するが、ゴンは試験管の方からもう一度試験をやり直さないかと提案する。

でも、厳しい彼女にはゴンの意見には尊重しなかった。

受験者に帰れと促した途端、調理台から破壊音が響く。

それは、受験者のトードーが調理台の形が変形するほどの力で殴った音だ。

トードー「…納得いかねえな、とても『はいそうですか』帰る気にはならねえ！」

メンチ「っ！駄々っ子は坊やだけにしてよね。」

トードー「なに…？」

メンチ「だからさ、また来年頑張れば？」

トードー「ふざけるな！俺たちが目指してんのはコックでもグルメでもねぇ…ハンターだ！しかも、ブラックリストハンター志望だぜ。美食ハンターごときに合否を決められるのは納得いかねえって言ってんだよ！」

痺れを切らしたトードーははっきりと彼女に伝えたのだが、彼女はある言葉に納得がいかなかった。

メンチ「美食ハンターごとき(・・・・・・・・・)？」

今まで感情むき出しで怒っていたりしたメンチは、自分の称号を小馬鹿にされることに静かな怒りが沸々とこみ上げる。

メンチは彼に睨みを利かせていた。

トードー「ああそうだ、美味いもん食ってふんぞり返ってんのがハンターだと？笑わせんな！」

他の受験者も帰らないはずだと伝えていると、先程から座っていたブハラが急に立ち上がる。

表情はぼんやりとした顔とは違い、慈悲があるのか無いのかがわからないような無表情だった。

メンチ「待ちな、ブハラ。余計な真似しないでくれる？」

ブハラ「だってさ俺なら腕の２、３本折る程度で済ませるけど…メンチの場合、此奴を料理にするだろ？」