【H×H】宝石の涙を流す (ページ27)

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金剛　1ー26 ページ27

焦げないように気を付け、焼き目が出来たところで、ガスコンロの火を消した。

これで完成というところだが、試験官が美味しいと思えるような味にできているかどうか味見する。

肉の柔らかい食感と、醤油と味醂の甘みだけでなく生姜が含まれているため、中毒になるような旨味が感じる。

きっと美味しいと思えるだろうと思いつつ、完成した生姜焼きを試験官に提供する。

メンチ「成程、豚の丸焼きでも、生姜焼きにしたのね。しかも美味しそうな匂いもするわ。」

ブハラが生姜焼きを頬張る様子を横目で見ていたメンチは、自然と笑みが出来る。

ブハラ「ねえ、メンチ。これすっごく美味しいよ！俺半分残したから食べてみて。」

メンチは「どれどれ…」と試しつつ、箸で生姜焼きの一片を口に運んだ。

運んだ瞬間、まるで時間が止まったかのように急に動きが止まる。

A「め、メンチさん…？」

まさか、彼女にとっては不味かったのだろうか心配になっていたが、彼女はどんどん震えている。

メンチ「な…なにこれ……………、

…………………美味しいじゃない！」

A「え」

受験者の話し合いにピリピリした空気が、一瞬でクリアになった。

メンチはこんな絶品食べたことがないとでも言うような、目を輝かせていた。

メンチ「この豚の大きさに沿って、醤油や味醂、生姜の分量も均等になっている。肉も柔らかすぎないほどの弾力を感じる、普通に作ってたらこんなに美味しくできないわよ！300番、あんた料理得意なの？」

まさか、試験官二人に生姜焼き一つで美味しいと言わせることに驚いたが、何故作れるのかを彼らに話した。

A「私には【師匠】と呼ぶ方がいて、よくこう指導されたんです。『料理は絶対に作れるようになりなさい』と。今まで料理のことに関しても厳しく教えられたので、多分それかと。」

メンチ「へぇ、あんたいい師匠がいるじゃない！これは、文句なしでブハラのお題通過してるわよ。」

ブハラ「もう、そうしてる間に、皆戻ってるみたいだよ。」

メンチ「え？」

ドドドドと駆け寄ってくる音が聞こえ、振り返ってみると他の受験者達が戻ってきた

目の前には、大量の豚の丸焼きがズラリと並んでいる。

ゴン達も戻ってきたみたいなので、その場から離れ、ゴンとキルアの所へ駆け寄った。

A「お疲れ様。」

ゴン「A！そっちはもう終わったの？」

A「うん、先に戻って生姜焼き作ったら一個目は合格したよ」