【H×H】宝石の涙を流す (ページ13)

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金剛　1ー12 ページ13

クラピカを背負ったゴンと共に歩いたのだが、Aは疑問に感じた。

あの甘い匂いを嗅いだのと同時に、何故昔の嫌でも思い出したくないことが目の前に表れたのだろうか。

ゴンが大声で名前を呼んでくれたおかげで、正気を取り戻せたのだが。

何らかの副作用もしくは、何かの効果が

Aに影響を及ぼしていたと予想できる。

それに、最初から違和感を感じたのだ。

Aは見習いの魔女で、基本的な植物は理解しているのだが

トンパが言っていた『イヤシスギ』という植物は明確にされていない

いや、『存在しない』ということが正しいだろうか

おそらく、あの甘い匂いのする木は

対象者に精神に支障を来す、毒性を放つ植物なのだろう。

きっと、目を赤く光らせたクラピカも同じ様なことが起きたに違いない。

その時

クラピカ「グッ…グアアアッ！！！」

ゴン「クラピカ！」

急にクラピカが担がれている状態で暴れ始めたのだ。

暴走が起きたことで、床へと倒れてしまう。

すると、その途端

A「(キルア…！？)」

前までゴン達について行かなかったキルアが、クラピカに思いっきり蹴り上げたのだ。

A「クラピカさん！大丈夫ですか？」

ゴン「クラピカ！」

声をかけると、いつの間にか彼の目は普段の色に戻り

先程暴れていた様子が無くなった。

クラピカ「ゴン…A…」

どうやら無事に正気を取り戻せたみたいだ。

平常心を保っていると、キルアはこう言う。

キルア「『イヤシスギ』なんて木は無い。Aも多分、薄々変だと思ってるだろ。」

ゴン、クラピカ「え？」

どうやら、キルアはAが植物の違和感を感じ取っていたのに気づいていたみたいだ。

代わりに、キルアが真実を説明する。

キルア「此奴は昔から暗殺者が使う、『マドワシソウ』の樹液だ。相手の一番触れられたくない過去の幻を魅せて、精神を破壊させるんだ。」

ゴン「詳しいんだね。」

A「やっぱり、どおりで聞いたこともない名前だと思ったよ。」

クラピカ「じゃあ、トンパは…。」

キルア「お前たちを引っ掛けたんだよ。」

彼の本性や、悪巧みを理解すると、グッ…と歯を軋ませる。

A「(でも、あのおじさんはどうしてそんなことを？)」

ゴン「…行かなきゃ！」

キルア「あるぜ、あのおっさんを助けて一発逆転で先頭集団で追いつく方法を」

キルアは余裕のある笑みをしていた。

一体どんな解決策があるのだろうか。