【H×H】宝石の涙を流す (ページ11)

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金剛　1ー10 ページ11

A「待って、私も着いてくよ。ゴンの言う通り心配だし。」

ゴン「分かった、良いよ。じゃあ後でね。」

キルアにそう告げたゴンはAとクラピカと共に、試験会場とは反対方向へと走っていった。

ゴン「…あれ？」

暫く走っていると、ゴンはある人影を見つけた。

その人影は、少し小太りした体型の男が床に倒れている。

恐らく、トンパだ。

ゴンは近くまで駆け寄り、彼の安否を確認する。

A「大丈夫ですか？」

トンパ「た、大変だ…。」

クラピカ「中で何があった？」

トンパ「こんな罠は初めてだ…。急げ！」

何があったかなんて言葉で表わせないということは、焦るほどの異常事態が起きたのだろうか。

それ以上は聞かないようにしたほうが良いだろうと思いつつ、ゴン達はトンパが指した方向へと向かった。

…トンパが後ろで企みのある笑みをしたのを知らずに。

人が居ないだろうかと走りながら捜していると、また倒れた人物を発見した。

小太りで、お坊ちゃんの様な格好をした男のようだ。

クラピカからの情報によれば、名をニコルという。

ゴンが何があったのかどうか聞くと、ニコルは三人に目を向ける。

でも、彼は汗だくで目の焦点が合わず、まるで幻覚を見ているかのように狂った笑い方をする。

ハハハ…と笑いながら、ニコルは深い闇しかない空間へと歩きだしてしまった。

三人は一度お互いの顔を見合わせる。

クラピカ「急ごう、レオリオを捜すんだ！」

ゴン「うん！」

A「はい！」

今度は時間にも間に合わせる様に、小走りしながらレオリオを捜す手段だ。

ゴン「レオリオー！居たら返事してー！」

クラピカ、A「っ……！」

ゴン「二人共、どうしたの？」

ゴンが大声で彼を呼び叫んでいると、クラピカとAが急に動きを止めた。

A「あっ…あ…。」

ゴン「Aまで！どうしたの！？」

ここからは、彼女の視点で捉えてみよう。

彼女も、いつも通りな感じで捜していた途中、目の前にあるものを見た。

それは

長く艶のある銀髪の女性が血塗れな状態で倒れている、

女性の前には、鋭い刃を持つ包丁を握っている男

そして、その女性の背後には水色の髪をした幼い女の子が映っていた。

A「…【師匠】！貴様っ……！」

Aは護身用として忍ばせていたナイフを握る。

いつの間にか、Aの水色の瞳は

黒に近い、光の無い青色の瞳になっていた。