【H×H】宝石の涙を流す (ページ2)

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金剛　1－1 ページ2

皆はこんな変わった病気を知っているだろうか

花吐き病、星涙病など…

誰もが知らない、患わない不思議な奇病だ。

これは、涙が宝石に変わる奇病を持つ少女の話。

何の変哲もない街

とある飲食店に入る者がいた。

青いローブに、軍服を連想するような黒に近い灰色の服を着た少女。

彼女の名は、A＝アクアマリン。

当時マリー・アントワネットが愛していた宝石(アクアマリン)のように

穢れ一つもない、澄んだ水色の瞳と艶のあるアシメ風のロングヘアー。

彼女は、『ハンター試験』を受けるために、会場の入り口である

この飲食店に来ていたのだ。

一見どこでもいる美人な14歳だが、皆は彼女の『奇病』を知らない。

ハンターの資格を得ることで、色々と便利であることと

ちょっとした好奇心が、Aの行動力を高めていた。

A「すみません、目から鱗が落ちるようなステーキ定食。１つください。」

カウンターにいる店員に『ハンター試験』の注文をすると、ぴくっと反応した。

「焼き方は？」

A「弱火でじっくりことこと飽きるまで。」

「あいよ、奥の部屋にどうぞ。」

A「ありがとうございます。」

案内され、壁も床も赤い、中華風の個室に向かうとそのまま椅子に座る。

すると、ジェットコースターに乗っているかのように腰がフワッと浮いた感覚を感じた。

A「エレベーター式になってたんだ、これ。」

『B100』の数にまでたどり着くと、ドアの向こうは地下水路のような薄暗い光景が映った。

部屋から出ると、頭が豆のような格好をしたスタッフに話しかけられる。

「どうぞー、番号札をお取りください。」

スタッフはAに受験番号の名札を手渡す。

番号の数は『300』

百の位である３は、アクアマリンの誕生月と完全一致する。

「必ず胸に付け、紛失されませぬようよろしくお願いいたします。」

スタッフの指示を元に、彼女はローブに名札を縫い付けた。