星 1−7 ページ8
天馬「そうなんだ!徐々にサッカーにも慣れると思うしね。」
………………
この、人の明るい笑顔は、日依は知っている『誰か』と重なってしまう。
日依「私、水分補給してきます。」
その場からタオルを持って立ち上がり、スポドリが用意されているベンチに向かう。
日依が背中を向けると、他のメンバー達が呟く。
鉄角「なんか現実だと意外とおとなしいな。」
さくら「テレビとかでしか分からないけど、出演している時は明るいよね。」
剣城「芸能人とか有名人は、皆あんな感じなんじゃないか?」
やはりメンバー達も、画面上の日依しか知らない。
でも、何故日依は現実ではあまり明るい姿を表さないのだろう。
いや、何故『表そうとしない』のだろうか。
休憩が終わると、今度はボールを使ったリフティングが始まる。
天馬「最初は手を使えなくて不便に思うだろうけど、ボールに慣れれば案外簡単にコントロールできるようになるよ！じゃあ皆やってみて！」
天馬が一度手本を見せてから、練習が始まったのだが
皆慣れてないからか、リフティングが上手くできないことが続いていた。
だが、日依はというと
日依「(1…2…3…)」
初心者であるにも関わらず、リズム良くリフティングが出来ていた。
…途中でボールを落としたりなどのケアレスミスもあったが。
なんとか今日の練習が終わり、全員で宿舎に戻る。
蒲田「よく来たねぇよく来たねぇ！汗まみれだね土まみれだねぇ！まずはほれ！お風呂行きなさいお風呂！あ、その前に部屋部屋！お部屋に荷物置いてお風呂行っといで！」
彼女は蒲田静香。
宿舎の管理をしてくださっている方だ。
名前に反して、陽気な性格である。
皆は各部屋に戻っていくのだが、葵があることに気づく。
葵「あれ、朝比奈さんは?」
いつの間にか、日依は皆が部屋に戻ると同時にいなくなっていた。
天馬「そういえば、何か電話があるからって言ってたけど…。」
剣城「俺が捜しに行く。天馬達は先に戻ってくれ。」
天馬「うん。剣城、何かあったら直ぐ連絡してね!」
日が沈みかけている夕方、剣城は早足で捜しに向かった。
流石に木々にはいないだろうと思い、宿舎の周りを捜していると聞き覚えのある声が聞こえる。
日依「うん…、分かった。皆には申し訳ないけど、配信やイベントは延期ってことで。」
恐る恐る裏を覗くと、携帯を片手に電話している日依の姿があった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：日依 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sorairokopikku2
作成日時：2023年4月15日 12時
