〜ヒノヒカリ〜純白の歌姫 (ページ6)

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日依「私も、雷門の三人方以外のメンバーと同じで、サッカーはあまりしてなかったのですが、…足を引っ張らないように、頑張ります…。」

自分が未経験でも、やはり選抜になったのだから、諦めたくないのだと思ったのだろう。

天馬「分かった!監督からの指示だったし、仕方無いよね。まだ二日目だから皆で頑張ろ!」

きつい発言もせず、温厚な天馬だ。

業界では、逆に逆鱗に触れることだってあるのに、

キャプテンが優しい人で良かった。

そんな二人の会話を、エースストライカーの剣城は見つめる。

いや、二人といっても、主に日依に対してだった。

剣城「(…テレビでしか見たこと無いが、意外と現実では奥手なんだな。)」

その後、全員は船木コーチに集合される。

船木「これより１週間、FFIV2アジア予選開始まで我々はここで強化合宿に入る。では、改めて自己紹介してもらおう。瞬木、お前からだ」

元陸上部である、瞬木から自己紹介が始まり、最後は日依の番となる。

天馬「えっと…。」

誰もの視線が、日依に向かう。

日依「…朝比奈日依です。えっと、イナズマジャパンに選ばれたので、特別扱いせず、普通に接してくれたら幸いです。」

有名人だから媚びるとか、贔屓されることが日依は気に入らなかった。

だから、殆ど同級生であるこのチームなら、分かってくれるだろうと少しだけ、思った。

神童「……サッカーの経験は?」

機嫌悪そうに、目を鋭くさせた神童が問う。

何故なら自己紹介で、天馬達以外は皆

サッカー未経験だと主張したからだ。

でも怖いからとはいえ、嘘をつきたくなかった。

日依「…本当のことを言うと、サッカー未経験です。でも、メンバーとしてずっと『できない』という風にはなりたくないので、練習や自主練も励みます。」

芸能人や有名人は、皆偽りの顔があるからこそキラキラと星の様に輝く。

それは、SNS上で楽しそうに歌う姿と、現実ではあまり人間関係が苦手な姿を持つ

日依も同じだ。

でも、嘘をつき、偽りの仮面を付けたままだと

いつかは必ず信頼を失い、誰も自分に目を向けることもなくなる。

だから、歌の活動以外だけでも、嘘をつきたくなかった。

神童「っ……コーチ!このメンバーの選定基準は!?」

船木「基準も何も、黒岩監督が選出したんだ。私にもわからんよ。だが理由はどうあれ、この12人がイナズマジャパンだ」

確かに、黒岩監督は何を目的として、構成したのだろうか。