〜ヒノヒカリ〜純白の歌姫 (ページ4)

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選手達がグラウンドに再出場すれば、歓声が湧き上がる。

だが、一部には雷門中達からの声援もある

三国「頑張れよー!」

信助「天馬ー!頑張れー!」

選抜で選ばれなかった雷門イレブン達が、主に天馬に向けてのエールを送る。

他の声援では

「Aちゃああああああん!!!こっち向いてー!!!」

「リアルA、バチ可愛ええええええええ!!!!」

観客の中には、Aに対する声援もあった。

SNSで普段ポーズの、顎を乗せたピースサインを披露すると

またもや、観客は盛り上がる。

中1でありながら、この人気は正に本物といっても過言ではない。

「さぁこれより、新生イナズマジャパンの誕生を記念し、エキシビジョンマッチが行われます!そのデビュー戦となる相手は!……なんと!サッカー名門校、帝国学園です!」

すると、スタジアムに大きな乗用車が次々に現れた。

まるで軍隊の戦車と比例しているかのように。

初戦に向けてウォーミングアップをしていると、黒岩監督が

Aにあることを告げる。

黒岩「朝比奈、今回の試合では控えだ。」

A「は、はい。」

サングラスで目元が見えなくても、監督の威厳さを感じる。

ただでさえ、現実では人見知りだというのに、Aは少し戸惑ってしまう。

ベンチに移動し、スタートするメンバー達を出来るだけ、見守るくらいしか出来ない。

黒岩「お前達の力、ここにいる多くの者に知らしめるのだ」

「「はい！」」

初戦だが、サッカーの経験者は主に雷門中のメンバー三人ぐらいしか理解できていない。

そんなベンチで待機している彼女を、キャプテンの天馬は声をかける。

天馬「朝比奈さん、初戦だけど俺たちの試合見ててくださいね!」

裏表もなく、眩しい笑顔が目に映る。

…………………………私とは大違いだ。

エキシビションマッチがいよいよ開催される。

だが暫くプレーをしていると、神童がある違和感を感じ始めた。

雷門中の三人以外のメンバーは、誰も動かないのだ。

水川「彼らの選手データ、見せてもらいました」

黒岩監督の隣で立つ、マネージャーの水川みのりが呟く。

A「(え…?まだ選抜されたばかりなのに、もう把握済みなの?)」

先に、マネージャーが決まったからなのだろうか。

水川「鉄角真、ボクシングで世界レベルの実力を持つ少年。ですが、サッカーは未経験。

瞬木隼人、陸上部。超速と言われる俊足の持ち主。これもサッカー初心者。