花魁 2ー25 【あの人に似た妖怪に恋する】 ページ28
妖魔界にあるスナックゆきおんなには、色んな妖怪たちが賑わっている。
文字通りスナックを食べながらお喋りする妖怪もいれば、酒呑んでいる妖怪もいる。
スナックのオーナーをしているふぶき姫は、カウンター席で甘い酒を呑んでいる友人の月夜を連れていた。
理由は、酔っぱらいや変な男が口説いてきたときの護身になってほしいからだという。
実際ふぶき姫も美人の部類に入るから、客から口説かれることも多いので軽やかに断っている。
だが、しつこいときは大体月夜が脅迫じみた発言をして代わりに追い出していた。
本当に頼れる友人だなと毎回思っているわけだが
ふぶき姫「そういや、月夜ちゃん。最近どう?」
月夜「…?何が」
ふぶき姫「オロチのことよ!月夜ちゃんは昔男に興味持たなかったのに、オロチのことになると一瞬で好きになってたじゃない。あれから進展とかないの?」
月夜「最近は変わらず仲ええよ。こないだウチが感情むき出しで帰ってこない怒りをぶつけてしまったけど、抱きしめられたときはほんまに心臓えぐられるかと思ったわ」
ふぶき姫「普段はあんな感じじゃないのにねえ。そういえば、月夜ちゃんとオロチってどうやって出会ったの?」
友人であったとしても、恋人ができたきっかけは知らない。
猫みたいに他の人にはあまり懐かないけど、心を許した主人の前だと全面的に甘える仕草のある月夜。
オロチは普段真面目であまり動じない性格だから、初めて会った時は緊張するものだ。
月夜「………聞きたい?」
ふぶき姫「聞きたい!」
ふぶき姫はスナックを運んだお盆を両手で抱え、キラキラした目で月夜を見つめていた。
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数十年前
月夜が妖怪になっても、その容姿の美しさと秀麗さは変わらずどんな妖怪にでも人気だった。
勿論、エンマ大王も指名するほどだった。
妖魔界の放送局が取材やら番組出演やらモデルの撮影をしてほしいというオファーが来ても
月夜は全部断ってた。
本人曰く、広まるほど目立つのは好きじゃないと。
営業は主に夜なので、朝起きるのは苦手な方だが
人間の頃の癖が直らず、いつの間にか6時には起きる。
だがある日、女将の月影からあることを言われた。
『今夜は宴会として元祖軍と本家軍の方々がお越しに来る』と。
それを言われたときは「了解です」と軽く相槌を打っていたが
ここから月夜の春も同時に流れてくるというのは、本人も知らなかった。
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月見だんご(プロフ) - 構いません!宜しくお願いします🙂 (2月14日 14時) (レス) @page24 id: f6787a6d04 (このIDを非表示/違反報告)
日依(プロフ) - 月見だんごさん、ありがとうございます。このシリーズは固定設定なのですがそれでも大丈夫でしょうか?この主人公である月夜は好みが別れるかもしれませんが··· (2月12日 23時) (レス) id: 08b2d47db3 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - オチがオロチで嬉しい😄自分もオロチが推しなのでこういう作品が見れるのは嬉しいです。もっとオロチとの絡みも見てみたいです。更新楽しみに待ってます😆 (2月12日 23時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sorairokopikku2
作成日時:2023年2月8日 9時