花魁 2ー22 過去7 ページ25
女将「え、外にですか？」
桜城「嗚呼、月夜に見せたいものがあってな。どうしても夜じゃなきゃ駄目なんだ。」
廓の外で、女将さんと桜城様が話している声がする。
廓の窓を覗くと、女将さんは深刻な顔を浮かべる。
桜城様は素直な性格で人を裏切ることをしないのは、女将さんや他の遊女達も知っている
だが、遊女と外に出るということはとても疑い深く思われる行為だ。
そのまま夜逃げする可能性もある。
桜城「そんなに疑うのであれば、もし私が月夜と逃げていると思ったのなら月夜の代わりに私の首を斬ってくれても構わん。」
女将「そんなっ…！滅相もございません！」
自ら打首にすると言い出した桜城様に、女将さんは焦った表情で否定せざるを得なかった。
桜城「月夜、この景色はどうだ？」
桜城様に手を引かれ、連れてきたのは
遊郭の街が浮かぶ夜景の見える丘だった。
店から少し離れた場所に位置していたため、まだ夜逃げとは疑えない(そもそもしないが)
提灯の灯りと店からほんのり光る電気。
とても美しいが綺麗な反面ここが女達の地獄なんだと思ってしまう。
月夜「ええ…綺麗です」
でも、どうしてこんな日に見せようとしたのだろう。
夜景なんていつでも見れるのに。
桜城「月夜、聞いてくれ」
月夜「はい」
普段ふざけたりしなくて、穏やかな性格の持ち主なのだが
今日は一段と真剣な眼差しを月夜に向けた。
その視線は、愛しい恋人に向ける視線のようで
月夜はまだ異性に対して特別な感情を抱くことはないのだが
こんな視線を向けられれば、誰だって緊張してしまうのだ。
桜城「私は…この桜町を離れなければならない。」
月夜「！」
桜城「私が仕えている主の元に戻らなければならないのだ。」
彼は、とても位の高い大名。
そしてそんな彼は、ある将軍に仕える大名。
将軍の命は桜城率いる家臣共が死守しなくてはならない。
桜城「一度お前と此処に来たかったんだ、私にとって最後の。」
桜城が月夜にこの景色を見せるのは、自分はもう明日から月夜に会うことができない。
だから会う日にだけこの景色を二人きりで眺めたかった。
桜城「せめて最後くらいは…かっこつけさせてくれ」
月夜「さ、桜城様？」
腕を彼の方向まで引っ張られ、目と目が合う。
あれ…この方、こんなにかっこよく見えてたっけ………？
すると、桜城は着物の袖からあるものを取り出す。
それは…
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月見だんご(プロフ) - 構いません!宜しくお願いします🙂 (2月14日 14時) (
レス) @page24 id: f6787a6d04 (このIDを非表示/違反報告)
日依(プロフ) - 月見だんごさん、ありがとうございます。このシリーズは固定設定なのですがそれでも大丈夫でしょうか？この主人公である月夜は好みが別れるかもしれませんが··· (2月12日 23時) (レス) id: 08b2d47db3 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - オチがオロチで嬉しい😄自分もオロチが推しなのでこういう作品が見れるのは嬉しいです。もっとオロチとの絡みも見てみたいです。更新楽しみに待ってます😆 (2月12日 23時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日依 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sorairokopikku2
作成日時：2023年2月8日 9時
