花魁 2ー17 過去1 ページ19
今から数百年前
月夜は『梅』という名前だった。
梅の花言葉は、気品、忍耐、上品という月夜らしい意味が込められていた。
彼女は村の幼い娘でありながらも、誰もが振り向くほどの美女だった。
だが、月夜の家系は少し貧困な状況である。
この時代、貧困や借金返済のため
女は幼き頃に、吉原に売られ、遊女となるのが主に多かった。
でも、梅の両親は娘である梅にはそんな己を穢すようなことをさせたくなかった。
幼い梅が家族の為に花魁になると言い出した途端、両親は猛反対した。
「いくら貧しくても嫁入り前の娘にそんなことをさせたくない」と何度も梅に対して言っていた。
でも梅は両親の反対を押し切って、遂に吉原の男と共に遊郭の街に足を運ぶ日が来たのだ。
花街に行く前に、男基い、悠之助はとある屋台を見つけた。
悠之助「良かったら、此処の甘味でも食わないか？」
悠之助が見つけた甘味処には、団子や羊羹などの甘味が多い。
この時代では砂糖は高級品なのであまり安安と買える値段では無かった。
でも本当は気になる、でも今日初めて会った人にお金を払わせるような失礼なことはしたくない。
そうおどおどしていると、悠之助はこう提案した。
悠之助「今回は遠慮するな、こう見えても稼いでるからな。」
悠之助は梅を客室に待たせると、「羊羹を二つ、団子を二組頼む」と店員に頼んでいた。
暫くして、「ほらよ」と渡され、梅は口を開き一粒の団子を頬張った。
悠之助「詰まりやすいから、よく噛むんだぞ。」
何も知らず飲み込みかけると隣から注意され、詰まらないようによく噛んだ。
やっと終わり飲み込んだ瞬間、舌の感覚からか
口の中全体に、甘い蜜の味が広がる。
梅「…！美味しい…。」
悠之助「そりゃあ、蜜と砂糖が含まれてるからな。美味いだろ？」
梅「ウチ…、こんな美味しいの食べたことない…。」
悠之助「美味しくて感動したか？」
彼は遊郭で裏の仕事をしているにも関わらず、表向きは優しそうな顔をしていた。
梅「悠之助さんって、優しいんやね。」
悠之助「よせ、俺が優しいのは仕事外なだけだ。仕事になると結構笑うこと無いぜ。」
言い終わった彼の目は優しいのと虚しい色をした。
その後甘味処を後にし、また遊郭の街に足を運んだ。
この時の月夜は、まだ穢れを知らない、純真無垢な少女だったのだ。
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月見だんご(プロフ) - 構いません!宜しくお願いします🙂 (2月14日 14時) (
レス) @page24 id: f6787a6d04 (このIDを非表示/違反報告)
日依(プロフ) - 月見だんごさん、ありがとうございます。このシリーズは固定設定なのですがそれでも大丈夫でしょうか？この主人公である月夜は好みが別れるかもしれませんが··· (2月12日 23時) (レス) id: 08b2d47db3 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - オチがオロチで嬉しい😄自分もオロチが推しなのでこういう作品が見れるのは嬉しいです。もっとオロチとの絡みも見てみたいです。更新楽しみに待ってます😆 (2月12日 23時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日依 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sorairokopikku2
作成日時：2023年2月8日 9時
