足狩り峠に潜むもの ページ40
夢主side
乗っていた車が無惨にも転覆したことに気が付いたのは、頭に血が上って気分が悪くなってきてからだった。
「えっ、皆！ちょっ、無事…！？」
隣で小鳥がなにやら叫ぶ。
「…な、なんとか……？」
掠れた声で返事をすると、助手席からも七海君の声が聞こえる。
「無事…、と言えるんでしょうか。斉藤さんは意識を失ってます。脈拍は正常ですが。」
全員が安堵した。
そして全員が逆さまの状態でいるにも関わらず無事なことに気が付いて、どこからともなく笑いが生まれた。
「取り敢えず、この車から脱出しましょう。斉藤さんを安全な場所に連れて行くのがよろしいかと。」
ひと足先に七海君が行動する。２つも年下なのに頼りになる男だ。
次の瞬間、呪霊の咆哮と、破壊音が響いた。
距離は離れている。こちらには来ないはず。
なにせ車が転覆しているので、外が見えない。
幸いにも、後部座席の窓は割れている。ここから抜け出せそうだ。
すると窓の外に、誰かの足が映った。
「おい！誰か返事できるか！？」
「あれー、その声は夏油、」
「藪木先輩……！？倉崎先輩は！？倉崎先輩！！無事ですか！？」
私の声すら遮って小鳥の生存確認しやがったよ夏油のやつ。
そりゃ好きな女の子が乗った車が転覆したら気が気じゃないと思うけどさ、もうちょっと、こう、私のことも心配してくれたっていいんじゃないの。
などと思っていると、幸希が私の腕を引っ張って車内から引っ張り出してくれた。割れた窓は尖っているので、そこも手で押さえて怪我をしないようにという気遣いつきだ。
なんて出来る男なんだろうか。やっぱり幸希がなんだかんだ高専生の中で一番優しいと思う。どうして彼女がいないのかさっぱり分からない。
車から出ると、とある巨大な呪霊と國光先生が戦っていた。
「…なにあれ…！？」
思わず目を見張る。
明らかな異形。人型じゃない。
ウミウシのような、芋虫のような下半身。そこから蜘蛛のように生えた無数の手で高速に移動し、長く太い首には人間の頭蓋骨が多数埋め込まれている。そこから繋がる鎖には、先ほど私達の足に固定されていたトラバサミがぶら下がっており、そのトラバサミが挟んでいるのは、人間の足だ。
頭頂部には、人間の顔のようなもの。目はぐるんと白目を剥き、口は耳までぱっくりと裂けている。とにかくデカい。これでも多くの呪霊を相手にしてきていたはずだが、あれほどおぞましい異形は初めて見た。
ただの呪霊じゃない。
恐らく
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ただの本名；只野です。(プロフ) - 面白すぎて鼻水吹いた。気長に更新待ってます。１年でも１０年でも１００年でも。あっ１０００年ぐらいはオッケーです。 (7月31日 11時) (
レス) @page42 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間くんが好きなピカソ - えっなんかもう控えめに言って天才？？ここまで一気読みしちゃいました、、、！！更新頑張ってください土下座待機してます！！ (2023年1月28日 22時) (レス) @page42 id: 8a09725b52 (このIDを非表示/違反報告)
くさ - めっちゃ面白いですね！！！！これからも更新頑張ってください！ (2023年1月3日 11時) (レス) @page35 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - すみません!!!!誤字ってました(；´_ゝ`) (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - 物凄く面白かったです！色々なキャラクターが出てきて面白すぎてあっという間に読み終えてしまいました！これからも応援してますとぷり( ≧∀≦)ノ (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：EL | 作成日時：2022年8月14日 14時
