狙いは、足だ ページ37
夢主side
「やはりクラクションを鳴らすしかないのでは？」
七海君がそう言い、斉藤さんも頷いた。
その時だった。
不意に、足に何か冷たいものが当たった。
「…………ん？」
それとなく足元を見てみると、
「きゃあ！？」
私が叫ぼうとするのと同時に、小鳥からも悲鳴が上がった。
「うわぁ！！？何ですかこれぇ！？」
「斉藤補助監督！！落ち着いてください！！」
「や、藪木先輩！これは……！？」
いや、私と小鳥だけじゃない。
斉藤さんも、七海君も、灰原君もだ。
この車内にいる人間には全員、足にトラバサミのようなものが付けられていた。
「なにこれ…！？」
慌てて外そうとするも、固定されていて外れない。
鋭利な歯が並んでいるそれは、まるで足を食わんばかりに口を大きく開けている。
まさか、呪霊の攻撃だろうか。
「何なのよこれは！？」
「外れません…！」
車内は少しパニック状態だ。
いや、待て待て待て。まずは車を運転している斉藤さんを宥めなければ。
斉藤さんが運転を誤れば、最悪この車ごと全員お陀仏だ。
私は急いで運転席に身を乗り出した。
「斉藤さん！！これは呪霊の術式です！私達が何とかするので、斉藤さんは落ち着いて運転をしていてください！！」
「えあっ！？はっ、はい！！分かりました…！！」
動揺のせいか、少し車がフラフラとしているが仕方ない。
「足を狙ってきてる…！やっぱりここ、呪霊がいるんじゃない！」
「落ち着いて小鳥…！でも、この峠に呪霊はいないはずでしょ！？」
「そ、そうです！処刑人の話も、あくまで噂ですから！ここに呪霊がいるなんて報告、受けていません！！！」
斉藤さんがそう叫ぶ。
すると、不意に携帯に電話がかかった。
後続車に乗っているはずの幸希からだ。
「もしもし！？」
『おい！お前ら大丈夫かよ！？補助監督さん、居眠りしてねぇだろうな！？やけに車フラついてるぞ！！』
「分かってるわよ、そんなこと！！」
と大声で返したその瞬間、気が付いた。
「待って、もしかして前の車も…！？」
やけにフラフラとしていた前の車。今の私たちの状況によく似ている。
彼らも私たちのように呪霊にトラバサミを仕掛けられて、それで車内がパニックになっているのだとしたら…？
「そんなのっ…、一般人を巻き込むどころじゃ済まないわよ……！！」
よく見れば、トラバサミには鎖が繋がっている。
途中から途切れているが、まるで何かに引っ張られているかのようにぴんっと張られている。
この鎖が行き着く先に、この術式の張本人がいる…！！
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ただの本名；只野です。(プロフ) - 面白すぎて鼻水吹いた。気長に更新待ってます。１年でも１０年でも１００年でも。あっ１０００年ぐらいはオッケーです。 (7月31日 11時) (
レス) @page42 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間くんが好きなピカソ - えっなんかもう控えめに言って天才？？ここまで一気読みしちゃいました、、、！！更新頑張ってください土下座待機してます！！ (2023年1月28日 22時) (レス) @page42 id: 8a09725b52 (このIDを非表示/違反報告)
くさ - めっちゃ面白いですね！！！！これからも更新頑張ってください！ (2023年1月3日 11時) (レス) @page35 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - すみません!!!!誤字ってました(；´_ゝ`) (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - 物凄く面白かったです！色々なキャラクターが出てきて面白すぎてあっという間に読み終えてしまいました！これからも応援してますとぷり( ≧∀≦)ノ (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：EL | 作成日時：2022年8月14日 14時
