足狩り峠 ページ35
夢主side
ぐぎゅるるる〜…
そう、空腹の音が響いたのは高専の車内。
そして恥ずかしそうにお腹を押さえたのは灰原君だ。
「あっ、すみません。お腹空いちゃって。」
「いいよいいよ。もう夕方だもんね。お腹空いてきちゃうよね。」
車窓から空を見上げれば、空はオレンジ色に染まっている。かっこよく言うなれば黄昏時、もしくは逢魔が時、か。
昭和の音楽が流れる車内には、車を運転するお馴染み補助監督の斉藤さんと、助手席の七海君。後列の1番左に灰原君からの、真ん中には小鳥が座っている。私は1番右の窓側の席だ。
私達は午後授業で合同任務を終えた帰りである。
行きこそ賑やかだった車内も、今では全員大人しくただただ高専への到着を待っている。
だからこそ、灰原君のお腹の音も響いたわけだが。
「あ、私チョコ持ってる。灰原、いる？」
隣の小鳥がポケットからチョコレートを取り出す。
「いただきます！ありがとうございます！」
「えっ、私も欲しい！！」
「ざんねーん。これ、最後の１つ。」
「え〜……あっ！じゃあさ！國光先生にラーメンを奢ってもらうってのはどう！？」
私は後ろを見ながら、そう提案した。
後続の車も高専のものだ。乗っているのは國光先生と幸希と、そして夏油。こちらは全く別の任務だったが、偶然にもコンビニで遭遇して以降、同じペースで高専に戻っている。
頼めばラーメンを奢ってもらえるかもしれない。
確かに國光先生は毒舌だけど、生徒を甘やかしてもくれるのだ。
「え！賛成！私醤油ラーメンの気分！」
「僕はそうだなぁ…豚骨ラーメンですかね！」
小鳥と灰原君は乗り気だ。
「七海君もいいよね？」
そう言いながら助手席を覗けば、七海君もやぶさかではないといった表情で答える。
「私も…、まぁ、はい。奢ってもらえればの話ですけど。」
「國光さんは生徒に甘いところがありますから。きっと奢ってもらえますよ。止まれるところがあったら停車させるので、もう少し待ってくださいね。」
斉藤さんは微笑ましそうにそう言った。
それから走り続けること10分。車は山道に入って行く。
すると斉藤さんが空を見上げてこう言った。
「…あらら〜、何だか雲行きが怪しくなってきましたね…」
そう言われたので空を見上げると、確かに分厚い雲がかかっていた。
隙間から夕陽が見えるが、じきに沈んでしまうだろうから本格的に辺りは暗くなるだろう。
「…何だか不気味ですね……。知ってます？今通ってるこのはたご峠って、別名「足狩り峠」って言われてるんですよ。」
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ただの本名；只野です。(プロフ) - 面白すぎて鼻水吹いた。気長に更新待ってます。１年でも１０年でも１００年でも。あっ１０００年ぐらいはオッケーです。 (7月31日 11時) (
レス) @page42 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間くんが好きなピカソ - えっなんかもう控えめに言って天才？？ここまで一気読みしちゃいました、、、！！更新頑張ってください土下座待機してます！！ (2023年1月28日 22時) (レス) @page42 id: 8a09725b52 (このIDを非表示/違反報告)
くさ - めっちゃ面白いですね！！！！これからも更新頑張ってください！ (2023年1月3日 11時) (レス) @page35 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - すみません!!!!誤字ってました(；´_ゝ`) (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - 物凄く面白かったです！色々なキャラクターが出てきて面白すぎてあっという間に読み終えてしまいました！これからも応援してますとぷり( ≧∀≦)ノ (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：EL | 作成日時：2022年8月14日 14時
