残り一つ ページ25
夢主side
「…俺は、一度鏡に映ったものは鏡の記憶として再現できる…。だけどどうしても、あの人の姿だけが思い出せねぇんだよ!!」
「んなこと俺が知るかよ。」
道徳ゼロの五条君は心底どうでも良いと言った顔で、偽五条の悲痛な叫びを一蹴する。
もっと感傷に浸ってやれよ可哀想だろ。
「で、その話の流れから察するに、お前が最初に喰ったのは叔父だろ。」
「そうだよ。残念なことに、俺には過去に起こったことをありのまま映し出す能力は備わらなかった。代わりに、全てを模倣し、それを使って鏡の中に引き摺り込む力があった。だから引き摺り込んでやったよ。四肢を引き裂いても、俺の気は済まなかったがな。」
「…やはりあなたは祓わなければならないようね。」
一歩前に出ていた五条君の隣に立つ。
「…人に害を与えていなければ、見逃してあげることも出来た。だけどあなたは今まで、一体何人の人を引き摺り込んできたの?大勢でしょ?そうなるとね、あなたをこのままここに残して帰ることは出来ないのよ。」
「じゃあ、俺をどうやって壊す?鏡がある限り、俺は何千回何万回、無限にお前達を模倣できる。だが鏡を壊しても、破片となり、俺は数を増やすだけだ。」
「消し炭にすればいいだろうがよ。」
「いや、高専預かりにすべきよ。処理は先生達に任せましょ。」
好戦的な五条君を制し、そして、鏡はそのままで偽五条だけを祓ってほしいとお願いした。
五条君は文句を垂れながらも私の願い通りに偽五条を祓ってくれた。
「つっても、どうせあいつはすぐ模倣すんだろ。どーすんの。」
「取り敢えず、高専に持っていける状態にするわ。」
術式を発動する。
「
この術式は、対象の縛りを解除し、対象を封印するものだ。ただし、私より強いものには効かないので使用には注意が必要。私より強いものに使ってしまえば、術式がこちらに返ってくるので、まかり間違えば大惨事になる。
相手の実力が分かっていなければ使えない、危険な術式なのだ。
が、今回の呪物はよくて3級程度。難なく封印出来た。
「これを高専に持っていくってか。俺の呪力を使えば、こんなもんチリに出来るけどー?」
封印され、うんともすんとも言わなくなった鏡。
五条君はそれをコンッと叩き、ジロジロと観察する。
「やめなって。大人しく高専の人に見てもらいましょ。」
「へーへー」
「しっかし、仮想呪霊の討伐に来たのに、まさか呪物があるなんてね。」
「正体がなんであれ、七不思議はあと一つだろ。さっさと祓って帰ろうぜ。」
969人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ただの本名;只野です。(プロフ) - 面白すぎて鼻水吹いた。気長に更新待ってます。1年でも10年でも100年でも。あっ1000年ぐらいはオッケーです。 (7月31日 11時) (レス) @page42 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間くんが好きなピカソ - えっなんかもう控えめに言って天才??ここまで一気読みしちゃいました、、、!!更新頑張ってください土下座待機してます!! (2023年1月28日 22時) (レス) @page42 id: 8a09725b52 (このIDを非表示/違反報告)
くさ - めっちゃ面白いですね!!!!これからも更新頑張ってください! (2023年1月3日 11時) (レス) @page35 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - すみません!!!!誤字ってました(;´_ゝ`) (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - 物凄く面白かったです!色々なキャラクターが出てきて面白すぎてあっという間に読み終えてしまいました!これからも応援してますとぷり( ≧∀≦)ノ (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:EL | 作成日時:2022年8月14日 14時