消えたのは私の方だった…? ページ17
夢主side
取り敢えず、私が立っているのは踊り場。鏡をくぐったはずだが、先程と全く同じ踊り場に立っている。
挙句の果てに、目の前には先程突き飛ばしたはずの五条君とは別の五条君がいる。
「やっほ」
「やっほー、って、じゃねぇわ。お前何してんの?なに普通に鏡の中から出て来ちゃってんの?何でゆうゆうと鏡の中で遊んでんの?」
「うわぁ、さっきの私と同じこと言ってる。」
私の目の前にいる五条君の制服のボタンは、五条君から見て左側についている。ということは、やはり反対側にボタンが付いていた先程の五条君は…………
「あのね。さっきまで五条と一緒にいたの。」
「この学校、ゴジョーっていう呪霊までいるわけ?」
「すぐに分かるよ。」
と私がそう言ったと同時に、私が先程くぐってきた鏡から、奴も出て来た。
そう。本物の五条君が左右反転した姿、つまり偽物の五条君だ。分かりやすく言えば、目の前に五条君が2人いる。顔面国宝が2人分。ワォ、ジャパニーズビューティフォー。
「あ?ウケんだけど。何で俺がいるわけ?」
と本物の五条君。
「うわぉ、なかなか精巧に模倣できてるわ。」
と偽物の五条君。おいややこしいな。偽物の五条君よ、お前は今から偽五条だ。
「おい説明。」
五条君が面倒事を持ってきたと言わんばかりの眼光で私を睨むが、私だって知らないもんは知らない。取り敢えずなけなしの情報から言葉を紡ぐ。
「えっと、だからトイレで「遊びましょ」って言った途端、五条がいなくなったじゃない。それで校内を探してたら、鏡の中からこちらの偽五条が現れたわけ。でも手に引っ張られて鏡くぐったらあんたがいるし、学校だし、私も今、混乱してる。」
すると五条君が首を捻る。
…ん?待てよ。あの反応はもしかして。
「…もしかして、「遊びましょ」って言って消えたのは、私の方だったりする?」
思い切り頷かれた。
「じゃ、じゃあ、私は元の場所に戻って来れたってことよね?あんたもいるし!!」
「それは違う。」
「へ?」
五条君は真剣な面持ちになったかと思うと、こんなことを言いのけた。
「ここ、仮想空間だからな。」
「what?」
今度は私が説明を促す番である。
「つまり俺は「遊びましょ」と言った途端消えたお前のために、トイレの呪霊は後回しにすることにしたわけよ。祓っちまったら、お前が戻って来られなくなるかもしれないからな。それで、次の七不思議の調査に行ったわけ。」
「待て待て。私を探してないじゃん。消えた先輩も後回ししちゃってんじゃん。」
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ただの本名;只野です。(プロフ) - 面白すぎて鼻水吹いた。気長に更新待ってます。1年でも10年でも100年でも。あっ1000年ぐらいはオッケーです。 (7月31日 11時) (レス) @page42 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間くんが好きなピカソ - えっなんかもう控えめに言って天才??ここまで一気読みしちゃいました、、、!!更新頑張ってください土下座待機してます!! (2023年1月28日 22時) (レス) @page42 id: 8a09725b52 (このIDを非表示/違反報告)
くさ - めっちゃ面白いですね!!!!これからも更新頑張ってください! (2023年1月3日 11時) (レス) @page35 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - すみません!!!!誤字ってました(;´_ゝ`) (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - 物凄く面白かったです!色々なキャラクターが出てきて面白すぎてあっという間に読み終えてしまいました!これからも応援してますとぷり( ≧∀≦)ノ (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2022年8月14日 14時