五条、お前なんか変？ ページ15
夢主side
鏡の中から出てきた五条君は不思議そうに自分の腕やら脚やらを見て、次に鏡を食い入るように見つめる。
自分が鏡の中に入った原因を考えているようだが、私はひとまず聞きたかったことを問う。
「………あんた鏡の中でなにしてたわけ…？」
「知らね」
「あ〜そうなの。とはならないよ？？ふざけたこと抜かすんじゃないわよ。私あんたのこと必死で探してたのよ？なのにあんたは一人でゆうゆうと鏡の中で遊んでたってわけ？」
「本当に遊んでたように見えたなら、お前は眼科に行ったほうがいいな。紹介してやろうか？」
「残念だけど視力はいいの。」
そう返すも、やはり目の前の五条君に違和感を覚える。
だが、あの五条君をどうにか出来るほどの存在がこの学校にいるわけがない。私は馬鹿なことを考えたと頭を振り、未だ鏡を観察している五条君に声をかけた。
「それで、あんたが鏡の中にいたのはトイレの七不思議と関係あるの？」
「俺は今の今まで、鏡の向こう側に連れ去られてた。恐らく「遊びましょ」って言った後に何かが起こる、の何かがそれなんだろうな。だが、鏡がこっちと向こうを繋ぐ出口になっていた。出口さえ見つければ、呪霊の術式自体は大したことない。」
「…なら問題は…どうやってその呪霊を祓うかってことね。」
「そういうこと」
私達は歩きながら例のトイレを目指す。
するとしばらくして、五条君が不満そうな顔で私にこう言った。
「…お前、なんか距離遠くね？」
「そっ、えっ、まさか！？！？」
「明らか動揺してんなよ。」
だって仕方ない。
呪術師としての私の本能が、どうしたって目の前にいる五条君を否定してしまうのだ。彼はどこからどう見ても五条君なのに。
そんな五条君は眉根を寄せると、私をびしっと指差す。
「言っとっけど、俺、お前のこと疑ってるからな。」
「は？なんでよ？」
「俺は鏡の向こう側にいたんだぜ？ここも実はまだ向こう側で、お前は、そうだな。さしずめ呪霊が作り出した偽物だとする。するとお前が偽物じゃないって確証がねぇだろうが。」
「いやどっからどう見ても私は本物でしょ。大体こんな美しい先輩が他にいるか。」
「自意識過剰ってやつ…？」
「ドン引かないでくれる？」
私達はてんやわんやと話しながら、やがてまた例のトイレへと戻ってきた。
だが、ここで私達は途方に暮れる。呪霊の祓い方が分からないのだ。
だって呪霊がいないから。呪霊の術式の発現条件は分かったはいいものの、肝心の呪霊がいないのだ。
「……どうすんの？」
「…どうすっかなー」
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ただの本名；只野です。(プロフ) - 面白すぎて鼻水吹いた。気長に更新待ってます。１年でも１０年でも１００年でも。あっ１０００年ぐらいはオッケーです。 (7月31日 11時) (
レス) @page42 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間くんが好きなピカソ - えっなんかもう控えめに言って天才？？ここまで一気読みしちゃいました、、、！！更新頑張ってください土下座待機してます！！ (2023年1月28日 22時) (レス) @page42 id: 8a09725b52 (このIDを非表示/違反報告)
くさ - めっちゃ面白いですね！！！！これからも更新頑張ってください！ (2023年1月3日 11時) (レス) @page35 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - すみません!!!!誤字ってました(；´_ゝ`) (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - 物凄く面白かったです！色々なキャラクターが出てきて面白すぎてあっという間に読み終えてしまいました！これからも応援してますとぷり( ≧∀≦)ノ (2023年1月1日 20時) (レス) @page35 id: c668961e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：EL | 作成日時：2022年8月14日 14時
