裏梅と夕顔 ページ9
夢主side
「こいつを今日から受け入れる。仕事に慣れるまで世話をしてやれ。」
「「御意」」
両面宿儺は2人にそう言うと、退屈そうに退室して行った。
すると、私を起こしてくれたのが白髪に赤い模様が混じる女性?男性?だ。
「女がそんなに床に倒れ込むものじゃない。」
「いや、これは私じゃなくて宿儺様が、」
「ほら立って。私の名前は裏梅。貴方は?」
「……来栖加々美です…。」
「そう、加々美。じゃあ、私達に着いて来て。仕事の内容を説明するから。」
「私の名前は夕顔よ。よろしくね、加々美。」
優しそうにそう笑ったのが夕顔という女性だ。
私は2人に着いて行くようにして廊下へと出た。
「あ、あのっ!どうして私は生かされたんでしょうか?はっきり言って、殺されるような事しか…」
私が至極真っ当な質問を投げかけると、前を歩いていた夕顔さんが教えてくれる。
「ああ、その事ね。私達はすぐ外に控えていたから話が聞こえたのだけど、貴方は忌み子なのでしょう?だからよ。」
「…え?」
「宿儺様はほら、あんなお姿でしょう?だから昔から人外として扱われていたの。だから忌み子だからと虐げられていた貴方に同情していたんだと思うわ。ここで働いている者達は皆そうよ。」
優しげに笑った夕顔さんのあとに、裏梅さんが続く。
「呪詛師であらせられるから人を殺す事はなさるけど、宿儺様は優しい方でもあるんだよ。一度懐に入れた者は大切にしてくださる。」
マジか。
こんな展開あるのか。
それから私は裏梅さんと夕顔さんに仕事内容を説明された。
私の仕事は主に洗濯だった。
両面宿儺に更に気に入られる事が出来れば、炊事係、側近になる事も出来るらしい。
裏梅さんは側近、夕顔さんは炊事係であると言う。
いや、そこまで近付きたいとは思わないのでちょっと昇格は遠慮したい。
そんなこんなで死ぬ事からだいぶ路線は外れて、私は両面宿儺の屋敷で働く事になったのだった。
いや、何でやねん。
「…じゃあ、説明はこのぐらい。あなたのことだから、すぐに慣れると思うわ。」
一通りの説明を終えた夕顔さんが美しい笑みでそう言った。
「はい!夕顔さん、ありがとうございます!大好きです!!!」
「んまっ!加々美は本当に可愛いわね!これが生かされた一因でもあるかしら…。」
「え?私が美人だって?」
「そういうところよ、加々美。まぁ、あなたは殺される心配はないでしょうね。これから頑張るのよ。」
裏梅さんと夕顔さんは私を鼓舞して去っていく。
なんて素敵なお姉様達。
いや裏梅さん女か知らねぇけど。
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時