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夢主side
一体何をうじうじと考えているのだろう。
さっさと殺してくれれば良いものを。
いや妨害した私が言うのもなんだけど。
すると、両面宿儺が思いもよらぬ事を口にした。
「……娘。…お前、忌み子なのか?」
「左様ですが…」
え?今それ言う?
「…ふむ…忌み子か……」
「え、いや、忌み子だから食べたらお腹下すとか無いですから!!!私ぜんっぜん健康体ですから!まぁ、綺麗な体のまま残してくれるのなら本望ですけど!!お腹ぐちゃぐちゃにされるのはちょっとドン引…じゃなかった怖いですけど!!!」
いや、よくよく考えたら他人に食べられるってかなり気色悪くないか?
よくよく考えなくてもちょっと気持ち悪くないか?
殺されるのはいいんだけど、この体髪の毛一つ余す事なく食べられると言う事だろうか。
あんな美しい男の体に入ると言う事だろうか。
つーか解体される時裸にされるんじゃないの?
え?人目に晒されんの?
死ぬよ?
つか、人間が人間を食べるってなに!!??
「…ってなわけなんですけどやっぱり人間って不味いと思うし、私みたいな女食っても意味ないと思うんですよね。いや逆によく人間食べられますよね味覚大丈夫ですか?きゃは♡」
というわけで、私は最後の最後で開き直ってみることにした。
不敬罪?
んなもん知らん。どうせ殺されるんだから、最後の最後に生意気言ったって許されるだろう。
あわよくば、こんな不愉快な娘を連れて来た父親も巻き添え食って罰されればいいんだ。
「殺すぞ貴様。」
「どうぞどうぞ。元よりそのつもりでしたから。」
ふんぞり返ってそう言うと、両面宿儺が不快そうに眉を顰めた。
「…何だ。恐怖のあまり気でも狂ったか。」
「ふっ、既に気が狂っている女にそんなこと言うなんて…、さてはあなた天然ですね?」
ぱちりとウインクしてそう言うと、クソ親父は真っ青を通り越して真っ白な顔色になってしまった。
「……………ふむ。娘。こちらに来い。」
両面宿儺はそう言う。
「早くしろ。俺は気が長い方では無いぞ。」
はいはい分かりましたよ。
両面宿儺に近付くと、急に首根っこを掴まれた。
「ぐぇっ!!」
そのまま体が宙に浮く。母猫に運ばれる子猫状態だ。
そして両面宿儺と顔を突き合わされる。
「ぐはぁっ!!後光がっ!!目が!目がァァアアアア!!!!!」
「……忌み子でありながら、よくこうも愉快な性格に育ったものだ。ある意味天晴れ……」
両面宿儺がまさに奇怪なものを見るような目で見つめてくる。
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時