・ ページ40
夢主side
「………………。」
「おっと?」
私のその言葉に、宿儺様は口をつぐんだ。確定。これは黒だ。宿儺様は毎夜苑子内親王と睦み合っている!!!
宿儺様は!!!毎夜!!!苑子内親王と!!!睦み合っ、
「……それは誰から聞いた。」
「ひょえっ」
宿儺様は、ただそう静かに聞いてきた。
怒っているわけではない。瞳の奥に優しさが見えるから。
だけど何故か、背中がぶるりと震えた。
「聞いたっていうか、自然と耳に入ってきたというか…?」
「…なるほどな。ならばこれは聞いたか?」
宿儺様は私の頭に手を置いて、にやりと笑った。
「俺と床を共にした者は、もれなくこいつに食われるということを。」
宿儺様が指した「こいつ」とは、腹にある口のことだ。常人には決して存在しない、第二の口。
「…………マジですか?」
「俺は常に事実しか言わん。この口は幾多もの女の肉を食い破り、その脳髄を啜ってきた。どれほどの女の怨念がこびりついているやら、俺にも分からん。」
途端、私は顔が青褪めていくのが自分でも分かった。
「…どうした加々美。俺が恐ろしくなったか。」
「…………」
何も言わずに、ただただ宿儺様を見つめる。
その時間がしばらく続いた後、彼は痺れを切らしたように私の方に手を伸ばした。
「えい」
「!?」
が、それよりも早く宿儺様の第二の口に手を突っ込んだ私。
「……何を、やっとるんだお前は」
宿儺様は突然のことに驚いたようで、少し遅れてぎちぎちと私の頭を鷲掴みにした。あだだだっ、
「いや、ずっと気になっていたもので。これって宿儺様と繋がってるんですか?」
「当たり前だろうが。まぁ、何か異物が混入すれば噛み砕く。それだけだ。…だから、」
宿儺様は私の耳に口を近付ける。
「…そうやって手を入れていると、食ってしまうぞ?」
「やだ宿儺様ったら破廉恥!!」
突っ込んだままの手に肉厚な舌が触れる感触がしたので、慌てて手を引っ込めた。私にはまだ刺激が強すぎたみたいで心臓がバクバクしている。なるほど、これが大人の男の手練手管!!
でもちょっと特殊だな!!うん!!
「ケヒッ…やはりお前は並みの女ではないな。普通、何の躊躇いもなく手を入れるか?」
「ちょっと興味があったんですって。」
「食われたいのか?」
「誰がいつそんなこと言ったよ。」
「ふむ…。渇きを覚えたらお前の柔肌など簡単に食い破ってしまうかもしれんなぁ、加々美よ。」
「だから興味ないですって!」
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←・
2117人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時