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夢主side
「…ふむ…」
私がドヤ顔で胸を逸らすと、宿儺様はまじまじと見てくる。見てくださいと言った手前あれだが、そこまで見られると恥ずかしいというかなんというか。
「しかし加々美よ。」
「はい?」
「お前には色気が足りんからなぁ。」
おい言い切るなおい。
そりゃあんたに比べたら誰だって色気が物足りなくな
るさ。
などと私が心の中で思っていると、宿儺様は少し考え込んだ。
「………………加々美。お前、今いくつだ?」
「私ですか?19歳ですけど。」
「…ふむ…。なら大丈夫か。」
何が大丈夫なんですか、と聞く前に顎を掬われ、宿儺様の美しい顔が近づいて来た。
若干逃げ腰になったが、宿儺様の腕によってがっちりと掴まれて固定される。
そして唇にふに、という感覚が。
え?いやいやいや、え?
何が起こった?
数秒くらい経って、私は宿儺様に口付けされていると気が付いた。
え?こういう時って目を瞑るもの?鼻で息していいの?
いやそもそも何で口付けされてんだ?
情報量は色々多いが、取り敢えず分かることは宿儺様の顔が良すぎるということだ。え待って顔良すぎない?いや無理無理無理。こんな美丈夫に口付けされてんのか今私?いやでも口付けって何が口付けなのか定義とかないし、宿儺様にとったらただの挨拶?とかかもしれないし?いやでも顔良いな〜。マジでこの顔は最高だわ。だってこんな顔良い人私今まで出会ったことないよ?うわぁ、もう顔良すぎるだろおい。ちょ、取り敢えず待って。取り敢えず叫ばせて欲しい。美丈夫!!!!!!さいこッッッ_________
「おい、息をしろ加々美。」
「はひっ…!?」
気が付いたら宿儺様は口を離して私を見ていた。
「…え、今何が、」
「…分かったか?これが大人というものだ。まぁ、これでも子猫の甘噛み程度にしか過ぎんが、お前にはこれくらいが丁度良いだろう。」
「取り敢えず貴方の顔が良すぎて頭が宇宙に行っていました。」
「ケヒッ。言うに事欠いてそれか。」
すると宿儺様はゆっくりとこちらに顔をかがめ、もう一度私の唇に口をくっつけた。
「ひょえっ、」
僅かに宿儺様から口を引き剥がして逃げようとするが、頭をがっちりと掴まれてしまっては逃げようがなく、私はそのまま宿儺様に身を委ねた。
宿儺様は何度も角度を変えながら、私の唇を喰む。
まさかの両面宿儺が、こんなに優しい口付けをするとは思いもしなかった。
やがて宿儺様は私から顔を離すと、色気たっぷりな顔で微笑む。
「どうだ。」
「惚れた。」
「馬鹿め。」
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時