・ ページ35
夢主side
それから私達は、長湯しすぎだと結果裏梅さんに怒られた。
宿儺様には睨まれたが、まぁ共犯であるのだから仕方ない。
「お前のせいだ。」
「貴方のせいでもある。」
「お前が風呂なんぞに入るから。」
「それ責任転嫁って言うんですよ知ってます?」
「ああ言えばこう言う」
「え?私のことが大好きだって?私もようふ♡」
ちゅっとチッスを宿儺様に投げると、素晴らしい速度でかわされた。おいコラ。
「加々美、ふざけないの。」
裏梅さんに嗜められると、宿儺様はざまあみろと言った感じでこちらを馬鹿にしたように笑い、自身の部屋に戻って行った。
なので私も裏梅さんと別れ、自身の部屋へと戻ることにした。
ちなみに最後にちゃんと髪を乾かして寝なさいと言ってくれた裏梅さんに軽率に惚れた。
そして次の日。
その日には花札を持って宿儺様の元へと押しかけ、またある日には弓矢で勝負しようと持ちかけ、またとある日には蹴鞠をしようと宿儺様を蹴りかけた。
結果は見事惨敗。しかし宿儺様は楽しそうにしていたし、なんなら花札の最後の勝負ではわざと負けて私に勝たせてくれたりもした。
そしていつの間にか私と宿儺様が毎夜一緒に過ごすことは習慣化していき、もはや今では、私が何もしなくても宿儺様が鏖殺に出向くことはなくなった。
今夜だって、宿儺様は私を膝の上に乗せて私の髪をクルクルといじりながら、ただただ私の馬鹿話に耳を傾けている。
私はただ何をするでもなく、くだらない話をするだけで良いのだ。何と簡単な仕事なのだろう。
「それでそれで、その時道久が、何て言ったと思います!?」
「何と言ったのだ。」
「『玉葉!!俺と結婚してくれ!』ですよ!顔を真っ赤にしながら、明らかにそんなこと言う雰囲気じゃなかったのに!!あ〜おかしい!!」
「阿呆者めらが」
「だけどだけど、私はちゃんと空気を読んで、吹き出すのを堪えてたんです!だけど玉葉が先に吹き出しちゃったから、その後はもう道久が大変で!」
宿儺様の胸元に頭をこてんと預けると、宿儺様は優しく片手で私の髪を梳いてくれる。
「あれをあまりいじめてやるな。よく働いてくれるのだ。」
「ふふっ、道久が聞いたら泣いて喜びそう。」
宿儺様に体を預けたまま、私は目を瞑る。
「お子様は眠たくなってきたか?」
「あ、酷い。私はもう大人ですよ。」
「そう言いながら頭がこてこてと傾いているではないか。」
「これは生理現象ですし。見てくださいよ、私のこの艶かしい体の造形美を。」
2117人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時