泡沫 ページ34
夢主side
宿儺様を促して、温かい湯が張られた湯船に入ってもらう。
「……はぁ…」
宿儺様は湯船の縁に上半身を預けると、気持ちよさそうに目を閉じた。
「じゃあ、肩揉んでいきますね。腕が4本もあったら疲れるでしょ。」
「…頼む。」
宿儺様に近付き、肩に手を置いて力を込める。
が、流石は両面宿儺。肩も硬い。天上天下唯我独尊は肩も硬いのか。え、ちょっと待って本当に人間？
「…あら？あらららららら？」
ちょっと待ってくれよ！！
肩を揉むどころか指が食い込まないんだが！？
「…………おい。お前は揉む気があるのかないのか。」
私があまりの硬さに奮闘しているというのに、宿儺様はこちらの気持ちなど露知らずにそう言う。
「…いやっ、これっ、貴方が筋肉質なだけじゃ、」
「まぁ、はなからお前の細腕で俺の肩をどうこうできるとは思っとらん。」
と宿儺様が溜息をついたと思ったら、私の腕を思い切り引っ張った。
「え。」
突然の宿儺様の行動に受け身が取れなかった私は、間抜けな顔をしながら湯船の中にドボンと落ちた。
許すまじ、両面宿儺。
湯帷子を着ていない普通の着物なので湯を吸ってかなり重たくなっていたが、なんとか水面から顔を出す。
「げほっ！！ごほっ！！なっ、……なっ、何をするんですか！」
そう思い切り睨んでも、宿儺様は意地悪げににやりと笑うだけ。
「ちょっと！？」
「ずっと俺の世話をしていてもお前が冷えるだけだろう。風邪をひかないように湯船にいれてやったのだから、感謝しろ。」
宿儺様はぱしゃりと私の方に湯を飛ばす。
「加々美、己の体は大切にしろ。お前は一度死にかけたんだぞ。また俺に、お前の病床を守らせるつもりか。」
「え、やだかっこいいトゥンク…」
「またお前はすぐそういうことを」
「えい」
私の後に言葉を続けようとした宿儺様の顔面にお湯をかける。
「…っ、………………貴様……」
「さっきの仕返しですよ。」
と思ったら今度は私の顔面にお湯がかけられる。
「びょえっ！！」
「…くくっ、くくっ！はははっ！びょえっ！とな！実に間抜け！たまらんなぁ、加々美よ。」
あまりに馬鹿にするように笑うものだから文句の一つでも言ってやろうと思ったが、濡れた前髪をかき上げた宿儺様がたまらなく楽しそうな顔をしていたので、そんな気も失せてしまった。
「……」
私は黙って湯船の縁に体を預け、大人しく湯に浸かることにした。
こんな時間がずっと続けばよいのにと思いながら。
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え？ (4月8日 4時) (
レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え？これ、ハッピーエンド？これで完結だと？続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ？？完結、、？？この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですｗそれと泣きました（（ (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：EL | 作成日時：2021年5月14日 6時
