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夢主side
「しっつれいしまあああああああす!!!!」
それから数日、私は裏梅さんや宿儺様の介抱の甲斐あってすぐに回復した。
だから早速「宿儺様引き止めちゃうぞ作戦」を開始する為に宿儺様の部屋に押しかけ、襖をスパアアンッと開けた。良い子の皆さんは真似しないでね。殺されるゾ♡
が、押しかけたはいいものの当の宿儺様は食事をしており、私の急な登場に驚いたのか、飲んでいたお酒を吹き出しそうになった。そしてむせている。
「宿儺様、大丈夫ですか?」
「おっ、お前が!急に来るからだろうが!!コホッ、」
「ああ、ちょっと落ち着いてください。」
宿儺様の背中をよすよすとさすってあげる。
私の倍以上はあるその大きな背中は、男らしく硬い。
「ゲホッ、……んん、…で、お前は何しにここに来た。俺は食事中なんだが。」
「いや貴方が鏖殺止めに来いって言ったんじゃないですか。もう夜ですよ。」
「俺の部屋にはなかなか来られないはずだが。一体どうやって来たんだ?」
「裏梅さんが普通に案内してくれましたよ。」
「全くあいつは……」
頭を抱える宿儺様の肩口から食膳を覗く。
食膳には、魚やら肉やら汁物やら、美味しそうな物が沢山乗っていた。
「…これ、どれが人間ですか?」
「お前は馬鹿か。お前と同種のものを食べるわけがないだろう。」
それは解釈してしまえば私の為に人間を食べていない、という事だろうか。
「…えへっ、えへへ」
「にまにま笑うな。気味が悪い。」
「あ、酷い!!!」
「ほれ。」
文句を言うと、宿儺様に口に食べ物を突っ込まれた。
普通に美味しい。
「…美味しい………」
「炊事係の手腕は本物だからな。ほれほれ。」
私が食べ物を飲み込む前にどんどん宿儺様は食べ物を突っ込んで来る。お陰で私の口はぱんぱんだ。
「…………………」
「お前は飲み込むのが遅いな。」
「……っ、……誰のせいだと!!」
「…それで?お前は今宵、俺に何をしてくれる。」
宿儺様は笑って私の髪を一房掬い取る。
ったそれだけの仕草なのに、やけに色気が纏う。
「…そうですねぇ〜。何をして欲しいですか?」
「それはお前が考えてくるべき事だろうがたわけ者。」
「ええ〜?私は宿儺様が望む事をして差し上げようと思ったんです。どうです?私使用人の鑑でしょう?」
「使用人の鑑というのがどういうものなのかは知らんが…、そうだな。こちらに来い。」
宿儺様が私を隣に促す。
なので素直に宿儺様の隣に座ると、お酒の入った徳利を渡された。
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時