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ページ28

夢主side









「………ん……」







目を開けると、豪華な紋様が刻まれた天井が見えた。



何かとてつもなく途方もない時間、眠っていた気がする。

脳内がバグっているのか、今はいつなのか、何故眠っていたのか分からない。



頭もピキピキ痛むし、身体中が針で刺されたかのように痛む。



痛みを我慢して重たい体を起こすと、廊下の更に向こうに簾が上げられて日差しが差し込む庭園が見えた。





「………ここは……」





…そうだ。宿儺様がいない間に呪術師が襲来して来て……



あれ?私、大怪我負わなかったっけ?



自分の体を眺めて、着物の中まで覗き込んでみるものの、怪我を思わせるような痕は一切ない。




「………あれ…?」



などと思っていると、廊下から誰かの声がした。



「___________ですよ!」

「分かっている。あまり居座らないようにする。」




あ、宿儺様の声がした、と思った瞬間、襖が開けられた。




「裏梅、お前はそんなに俺が、………」

裏梅さんに向けて何か喋りながら襖を開けた宿儺様は、体を起こしている私を見て目を見開いた。




「…加々美、」


宿儺様は駆け寄って来たかと思うと私の側にしゃがみ込んだ。

そして私の頬を優しく触る。



「……もう大丈夫なのか。お前が無茶をするからっ…」

「大丈夫です。…あ、あの…。何があったんですか?」


何故か宿儺様が優しいのだが。違和感しかないのだが。


宿儺様は脱力したように私の隣に腰掛ける。


「…奴らは殺した。何だ、まだ殺すな云々などと言うのか?」

「……いえ…。侵入して来たのは奴らですから…。今回はそんな事言いません。…私は、どれほど眠っていたのですか?」

「…およそ一週間といったところだろうな…。お前の傷を癒す自信はあったが…なかなか目覚めないから…」

「心配しました?」

「…当たり前だろう。」


宿儺様は頭を押さえて長い溜息をついた。

だから宿儺様の頬を触る手に擦り寄ると、私の行動が予想外だったのか、宿儺様が動揺したようにびくりとする。



「………すまなかった。」

「…ん?何がですか?」

「…お前を、側に置いておくべきだったな。そうすれば、死に際にまでお前が行く事は無かった。」

「…いいんですよ。そもそも私に何の力も無いんですし…。私が貴方を怒らせたんですから。」

「………鏖殺をやめろ、か…」

「…いえ。今はそんな事言えません。貴方が普段、どれだけ命を狙われてるのかって事はもう十分分かりましたから。」


すると宿儺様はいつも通りの意地の悪い笑みを浮かべた。

・→←蠱毒



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設定タグ:呪術廻戦 , 両面宿儺 , 生前宿儺   
作品ジャンル:ラブコメ
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時

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