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夢主side
「分かったわ。じゃあ、宿儺様に伝えておく。逆に私の首が斬られたらどうしましょ〜」
夕顔さんはオホホホと恐ろしい事を口にしながら去って行った。
「……これで一件落着…?」
と玉葉。
「…じゃね?」
と道久。
「いやまだ何も解決してないから。」
勝手に締めくくらないで?
「まぁ、私達だけでうじうじと考えていたって仕方無いわよ。」
「そうだそうだ。全て宿儺様次第なんだからな。」
「仕事を再開しましょう。」
玉葉がパンパンと手を叩き、私達は各自の場所へと向かったのだった。
すると、私は歩いている途中に木々の間を舞う光り輝く何かを見つけた。
「……なんだあれ。」
近付いて見ると、それは珍しい模様をした蝶だった。
羽が明らかに大きく、少し後ろの景色が透けて見えている。
おまけに尾のようなものが生えており、そこからキラキラとした粉が降っていた。
「ここには結界が張ってあって何も侵入出来ないはずなのに…。どこから来たんだろう…。」
蝶は私の顔を見つめるかのように羽を動かしながらその場に留まっている。
何故だろう。
その場から動けない。
まるで、蝶に絡め取られているような…。
次の瞬間、近くで地面を踏む音がした。
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夕顔side
「はぁ〜、面白い面白い。」
現在私は、加々美達と別れて回廊を渡っていた。
え?私sideだから心の中でまで女口調じゃなくて良いって?
駄目よ。私はいつ何時も女なんだから♡
しかし宿儺様には困ったものだ。
怒りを買った、だっけ?
そんな時でも宿儺様は加々美の様子を私や裏梅から聞きたがるのだから、怒らせたとはよく言ったものだ。
「…加々美は加々美で、宿儺様に気に入られようなんて一切思っていないし………ん?」
ほぅ、と溜め息をついたところで、視界に入った蝶に気が付いた。
羽が大きく、長い尾を持っている。
おまけにその尾から振り撒かれる汚らしい鱗粉が、我が主人の屋敷を穢す。
姿形からして普通の蝶とは誤魔化せない。
私は気配を消して蝶に近付き、後ろから握り潰した。
そして呪力を流して殺す。
手を開くと、バラバラになった蝶は風に乗って流れて行くわけで。
「…呪術師共の式神か。宿儺様の屋敷を穢すんじゃない。クソ共が。」
しかしこんな雑魚い式神の侵入を許すとは。
「…どこかの結界が綻んでいるのかしら…?」
何はともあれ、警戒する必要がありそうだ。
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時