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夢主side
そんな決意から約数週間。
私は今日も朝から必死に(実はそこまで必死じゃない)働く。
玉葉と道久が相変わらず心配そうにこちらを見て来る分には悪いのだが、私の中では両面宿儺は頭の隅にいる存在程度にまで成り下がっていた。
こんな事言われたらマジで殺されそうだけど。
「ねぇ、加々美。あんた本当に大丈___」
「大丈夫〜。」
「無理してんじゃ___」
「ぜんっぜん無理とかしてないから黙っててくれる〜?」
揃いも揃ってなんなんだお前達。
当の本人が気にしてないんだから放っておいてくれよ。
と、そんな事を口にして言えるほど私は2人の事が嫌いなわけではないので。
「もう2人も気にしないで。今まで通り私達は一緒にいられるんだからいいじゃない。」
「……でもよ…、これは万一の話なんだけど…宿儺様はお前を殺さないだろ?だから、もしもお前の態度が宿儺様の許容範囲を越えたとしたら…お前、実家に帰されたりするんじゃねぇの…?」
これには私の頭にもピシャァァアン!!と雷が落ちた。
私はいつぞやの少女漫画に出て来るような白目の顔を惜しげもなく2人に晒しているのだろう。
だって2人が私の顔を見て驚愕しているから。
「…そっ、その可能性が…あった、だとっ!?」
「やだ。この子ったら凄い衝撃を受けているわ。」
「絶対そんな顔するのは今じゃねぇ気がする。」
ちょいちょいちょい待てーい。
ちょっと待って?ちょっと待って?
あの家に返されるだと!?
忌み子だと罵られ、疎ましい目で見られ、朝晩関係なく働かされ…ああ、腐った粥を無理矢理食べさせられたりもしたっけ。
そんな家に、返されるだと…!?
「…ちょ、宿儺、宿儺様に、直談判しなきゃ。」
「直談判してどうするのよ。あんた宿儺様の怒りを買ったんでしょ?絶対御目通り叶わないわよ。」
「やってみなきゃ分からないわ。こう、宿儺様大好き♡って書いた旗でも振ってたら呆れて話を聞いてくださるかも。」
「呆れられる前提なのかよ。」
「こうなったら押しかけるしか……」
「それ逆にもっと怒りを買わねえか?」
「猛烈なそれな。」
「駄目だわこの子。」
ここで道久がぽんっと手を打つ。
「………あっ!!!なぁなぁ、俺今思い付いちゃったんだけど、裏梅さんか夕顔さんに頼めば良くないか?宿儺様との仲介をしてもらうんだよ!」
「いや、宿儺様至上主義のお二人が宿儺様を不快にさせた私に協力してくれると思う?」
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時