鏖殺 ページ17
夢主side
「この小生意気な口をどうしてやろうか。」
両面宿儺は屈んで私に目線を合わせてくる。
うっわぁ、美丈夫だわぁ。
「ひょうもひゃっほいいへふね、ふくなはま。」
「何だ?」
緩んだ両面宿儺の手からベリィッと顔を引き剥がす。
「今日もかっこいいですね、宿儺様。」
「当然だろう。」
「自信家だなぁ。私と結婚します?」
「殺すぞ。何が悲しくてお前のようなちんちくりんを娶らねばならん。」
「うっわぁ、酷い言いよう。そりゃあとんでもなく背が高い貴方から見たら皆ちんちくりんですよーっと。」
洗濯物が入った籠を持って立ち上がる。
いつまでもこの人の相手はしていられない。
「おい、どこに行く。」
「仕事ですけど。私は忙しいんです。」
「俺を置いて行くのか。」
「貴方に用がある人がいるみたいですけど?」
私が指差した方向には、回廊を渡ってこちらに来る裏梅さんの姿が。
「宿儺様、訪問者です。」
裏梅さんがそう言うと、両面宿儺は面倒くさそうに立ち上がる。
「何だ、俺は暇じゃ無いんだが。」
「申し訳ございません。」
「違います裏梅さん!!この人めっちゃ暇してました!!人にケチしかつけませんもん!!!!」
「…宿儺様。貴方はいち呪詛師ではないのですよ。少しは自覚してくださいませんと。本来なら、使用人に関心を向けるべきではございません。」
「こいつが揶揄い甲斐のあるだけだ。それより、訪問者とは。」
「それが呪詛師でございまして。何か仕事の依頼があるようで_______」
両面宿儺と裏梅さんは歩いて行った。
呪詛師が訪れたと言う事は、人間を殺してほしいと依頼に来たのだろうか………。
いくら両面宿儺が優しいと言っても、使用人の人達が両面宿儺を慕っていたとしても、それはあくまでも屋敷内での話。
屋敷の外の両面宿儺は誰もが恐れる最強であり最凶な存在なのだ。
私達に見せるように笑わないし、情けをかけてもくれない。
ただ鏖殺するのみ。
まだ来栖家にいた頃、周りの人達が恐れていたのも頷ける。
私だって両面宿儺に生かされるとは思っていなかったし、ここで働くようになっても暫くは夢を見ているのかと思ったくらいだ。
……何故両面宿儺は呪力を人を殺す事に使うのだろう。
どうして人を殺す事に力を使う人間に術式が宿って、私には何も無いのだろう…。
術式があれば、来栖家でも少しは認めてもらえたかもしれないのに…。
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時