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夢主side
それからも私は今まで通り汗水垂らして働いた。
が、意識してみると
「おい、ちゃんと洗えていないぞ。やり直せ。」
やら
「……貴様は布と遊んでおるのか?」
だの
「お前はもう少し早く動けんのか。」
などなど、両面宿儺が視界の端でつべこべ言っている事に気が付いた。
そして今日も今日とて
「おい、さっさと仕事を終わらせろ。俺がわざんざお前の所まで来てやったのだぞ。俺に構え。」
気が付いたら視界の端でふんぞり返りながら何か言っていた。
「いつまで布と遊んどるんだお前は。」
「いやうるせえええええええ!!!!!」
つい叫んでしまった。いやこれはもう叫んでも良いと思うのだが。
逆にあそこまで言われて今まで我慢出来ていた私を褒めるべきだと思うのだが。
「何だお前は。急に叫びおって。うるさくてかなわん。」
当の本人は私の気持ちなどつゆ知らず欠伸をかましている。
「何っで毎回毎回私の仕事を邪魔しに来るんですか!?」
「別に邪魔はしておらん。お前は鈍間だからな。俺が見てやっているんだ。」
「暇か、暇なのか。両面宿儺は暇なのか。何て面倒くさい男なんだ。」
「……貴様、よく俺にそこまで言えるものだ。逆に感心するぞ。」
「でも殺しはしないんでしょう?」
挑戦的にそう睨んでみるも、両面宿儺はニヤリと笑うだけだ。
「無論。お前ほど暇潰しに適した人材はおらんからな。ここの奴らはつまらん。俺が黒と言えば皆が黒と言い張る。」
おい両面宿儺至上主義の玉葉と道久が聞いたら泣くぞ。
「その点お前は何だ。俺が黒と言っても白と言うだろう。ケヒヒッ。俺を殴ってでも白へと強行突破するやもしれんな。」
「自分の意見を言って何が悪いんですか。貴方の意見だけを尊重してられるわけないでしょ。」
「ほんに愉快愉快。案ずるな、お前は殺さん。俺に飽きられないようにせいぜい頑張れよ。」
「何様じゃ。」
すると、両面宿儺は何かを思い出したかのように着物の合わせ目に手を入れた。
「…これをお前にやろう。」
「んぁ?」
両面宿儺の手には、桔梗の花を象った簪が握られていた。
一目でわかる。超一級品。
「……ま、まさか盗んで来たんじゃ…」
「そんなわけがあるか。」
「じゃあ奪って来たんですか?」
「お前は俺を何だと思っているんだ。ちゃんと金は払った。」
「え?天上天下唯我独尊の貴方が?」
「…お前俺を馬鹿にしているのか?」
「はい。あ。」
「ほう?」
両面宿儺に顔を片手で掴まれる。
「あたたた!いひゃいです、いひゃい。」
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え? (4月8日 4時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え?これ、ハッピーエンド?これで完結だと?続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ??完結、、??この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですwそれと泣きました(( (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EL | 作成日時:2021年5月14日 6時