阿毘鬼丸 ページ14
夢主side
それから数週間。
私はここでの暮らしにも慣れ、人々の名前もだいぶ覚えて来ていた。
今現在、私は玉葉と道久と共に厨房で朝食を取っている。
「ねぇ見て見て！これ、お母様に頂いたのよ！」
玉葉が食事の合間に見せて来たのは綺麗な簪だった。
「綺麗！お母様に貰ったって…？」
「こいつ元々お貴族様だろ？たまに実家に帰ったらこういう土産貰って来るんだよ。」
「家族は帰って来いって言わないの？」
「勿論言うわ。両面宿儺なんて恐ろしい。いつ殺されるかも分からん。って口癖のように。でも私はここを選んだの。政略結婚されて汚い爺に嫁がされるぐらいなら、私はここで皆と楽しく生きたいの。」
道久も続ける。
「それに、こいつが生きてる事がバレたら両面宿儺に気に入られてるってことで実家に取り入ろうとする輩が増えて来るんだとよ。だから両親も表立って玉葉を連れ戻せないんだと。」
「へぇぇ〜。その点私と道久は大丈夫よね。忌み子だから。」
「おう！帰った途端鬼の形相で出て行けぇ〜！！って言われるだろうな！」
道久の顔真似が面白くて私達がバカ笑いしていると、厨房の更に奥から裏梅さんが出て来た。
その手には、綺麗な料理が乗った膳が。
裏梅さんの白い肌は、赤い血によって染まっていた。
あれは人間を調理していたらしい。
つまり、裏梅さんの運ぶあの膳も全て人間から作られた物だと言うことだ。
両面宿儺は食べる事を趣好とする。
そして、人間を食べる事を何よりも好む。
だから唯一人間を捌くことができる裏梅さんが、こうしてたまに両面宿儺に人間を調理した物を捧げるとのこと。
まぁ、両面宿儺が人間を食べる事は知っていたし、今更何も驚かないけど、ああして血が付いたまま目の前をウロウロされるのはちょっと恐怖を感じた。
それから私達は膳を下げ、再び洗濯を開始する為に回廊へと出て来る。
「…そういえば、宿儺様の屋敷には鳥はおろか、虫１匹いないのね……」
「結界が張ってあるらしいからね。だからこそ呪術師達や呪詛師達は入って来られないんだけど。」
すると、奥の角から両面宿儺と裏梅さんが出て来た。
なにやら話しながら移動する２人は目の前を通りそうだったので、私達は揃って頭を下げる。
すると、気が付いた両面宿儺が私達の目の前で足を止めた。
そして私に話しかけてくる。
「加々美。お前の望み通り阿毘鬼丸を祓ってやる。」
と、そんな事を言われる。
…阿毘鬼丸ってなんだっけ。
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かな - うわぁぁぁぁぁ完結やばすぎてやばたにえん←え？ (4月8日 4時) (
レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - え？これ、ハッピーエンド？これで完結だと？続編期待してます❗ (4月7日 20時) (レス) @page40 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月13日 5時) (レス) @page40 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 千と千尋ww 開き直れる主人公めっちゃおもろいです笑笑 (12月27日 0時) (レス) @page8 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - ふ、ふぇ？？完結、、？？この神作夜中に寝ている親の横で読んでいたから吹き出しそうになって危なかったですｗそれと泣きました（（ (12月4日 19時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：EL | 作成日時：2021年5月14日 6時
