29 飴ちゃん ページ29
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「…その友達、本当に怒らない？」
「ん？
大丈夫大丈夫、いざとなったら俺のあげるし」
にこっと笑って、
自分の食べてるプリンの容器を持ち上げるけど
もう半分も残ってないよ？
いつの間にそんな食べたの？
説得力にかける。
どうしよう、と悩んでいると
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「ほら、いいから食べちゃえ」
またもや平野くんは、
私の前に置かれたプリンをスプーンで掬い
私の口に放り込んだ。
歯にカツンとスプーンが当りながらも、
プリンはチュルンと入ってきた。
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…やっぱり美味しい。
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でも。
罪悪感がね、どうしても募ってきてしまう。
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「Aちゃんが食べないなら
俺が食べちゃうけど？」
悪い顔をしながら、平野くんはそう言う。
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…、もう食べちゃえ。
見事にプリンに魅せられた私は、少しの間のあと
誘惑に負けて手を伸ばした。
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お友達には後で謝るとして、サッと口に運ぶ。
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幸せだ…
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「おい、紫耀！」
急にドアの方から、声がして振り向けば
少し眉を寄せて怒っている男の子が立っていた。
…え、嘘。
平野くんの友達って…
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彼はズカズカとこちらに歩み寄り、
平野くんを見下ろす。
スラリとした手足に、整った目鼻立ち。
涼しげで、綺麗な瞳はどこか怒りを含み
眉間には皺が寄っている。
だいぶご機嫌斜めだよね。
そんな彼は、静かに空気を吸うと
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「俺のプリンどこだよ！」
そう吐き出した。
目を見開き動きを止める私と、
残ったプリンを口の中に放り込む平野くん。
すべて食べ終わり、
空になった容器を机に置いたところで一言。
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「…俺の胃の中です」
「はぁあ？」
その発言は火に油だよ。
余計怒っちゃった。
というか、怒らせてる原因は
彼のプリンを食べてしまった私にあるんだけど。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおり - 更新頑張ってください！この作品大好きです！ (2017年8月31日 17時) (
レス) id: 4435d194ea (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - 続きがすごく気になります！ がんばってください (2017年7月10日 22時) (レス) id: 171e64a391 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - Ψ( ・ ・)Ψ碧海 さん» そう言ってもらえて嬉しいです(涙)頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - りこさん» ぜひ食べてください（笑）頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - 莉桜さん» ありがとうございます！完結に向けて頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーち
| 作成日時：2016年5月22日 15時
