21 飴ちゃん ページ21
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それからしばらくして、私の住むマンションに到着。
平野くんは
やっぱでかい、なんて声を上げて
上を見上げている。
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「平野くん、お家まだ先なの？」
まだ上を見てる彼に問いかける。
だってそうじゃないとしたら
送ってもらったことになるし、申し訳ない。
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「へ？
あぁ、この近辺だから安心して！」
私の問いかけの意味を知ってか知らずか、
曖昧な表現をした。
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「…そっか。
気をつけて帰ってね」
怪我をされたら明日から観察できなくなっちゃうし。
…なんてね。
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「大丈夫大丈夫！
平野はゴリラで有名だから！」
どこに大丈夫の要素があったのか分からないけど、
とにかく大丈夫らしい。
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「じゃあ、ばいばーい！
また明日ね」
「うん、またね」
ひらひら〜っと手を振る平野くんを見送る。
そのまま見ていれば
数歩歩いたところで止まり、クルリとこちらを向いた。
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…なに、忘れ物？
なわけないよね。
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「今日、飴買ってなかったよね？」
「え？」
いきなりの質問に驚いたけど
そう言えば、確かに買ってない。
まあ異例の事態だったっていうのもあるし、
今日の朝何味なのか
平野くんに聞き忘れたっていうのもあるけど。
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「へいっ！」
急にポケットに手を突っ込んだと思えば、
そう声を出して
こちらにひょいっと、何かを投げた。
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パシッとキャッチすれば、
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「…飴？」
手の中に小さく収まる、それ。
驚いているうちに平野くんは、
"じゃねん"なんて言って
ふら〜っと帰って行ってしまった。
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遠のく背中に、小さくありがとうと呟き
手の中にある飴を口に含んだ。
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そういえば、肩揉み。
やっぱ効果あったのかもしれない。
軽い足取りで、マンションに入った。
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オレンジ味＿＿＿夕日にも似ているその飴は、ちょっと甘い。
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しおり - 更新頑張ってください！この作品大好きです！ (2017年8月31日 17時) (
レス) id: 4435d194ea (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - 続きがすごく気になります！ がんばってください (2017年7月10日 22時) (レス) id: 171e64a391 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - Ψ( ・ ・)Ψ碧海 さん» そう言ってもらえて嬉しいです(涙)頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - りこさん» ぜひ食べてください（笑）頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - 莉桜さん» ありがとうございます！完結に向けて頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーち
| 作成日時：2016年5月22日 15時
