3 飴ちゃん ページ3
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「…ふーん。
ま、そう言うならしょうがない。
今日も凛様が聞いてきてあげよう」
「その言葉を待ってたよ」
私が毎日あの質問をするように
凛も毎日、飴の味を聞いてきてくれる。
もちろん平野くん本人に。
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でも、最近は今までとちょっと違う。
前までは、いつもの質問をすると
『へいへい』
なんて言って、すぐ聞いてきてたのに
近頃はさっきみたいに
それを私にやらせようとする。
…面倒くさくなったのかな。
でも本当にそう思ってるなら
きっと言ってくるはずだから
ただの気まぐれなんだろうけど。
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凛は私のそばから離れ、テクテクと平野くんに近づく。
コミュ力がある彼女にとっては
飴の味なんぞ聞くのは、容易いこと。
朝飯前ってこういう事を言うんだね。
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「平野ー」、なんて言って振り向かせれば
「今日は何味？」
スルリ、と出てくるその言葉。
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そして続くのは
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「んー、…レモン味」
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心地の良いハスキーな声。
…あぁ、今日はレモン味なんだ。
机の端っこにシャーペンで、レモン、と書く。
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「真田ちゃんもいる？」
平野くんはコテン、と首を傾げて
そう凛に問いかけた。
相変わらず変わった呼び方をするなー
と、思いながらも会話を聞く。
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「いや、いい」
凛は右手を前に出し、あっさりと断った。
これも毎度のこと。
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「飴おいしいのに…」
貰ってくれなかったことに
ズーンとしょぼくれる平野くん。
またこれも毎度のこと。
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こうやって表情や
テンションの上がり下がりが激しいのも
見てて面白いんだよね。
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無事味を聞き終わった凛は
そのまま私の元に戻るわけではなく
自分の席に戻る。
なんでも、平野くんに聞いたそばから私の方に来たら
変に怪しまれるでしょっていうことらしい。
観察してるのがバレないようにしてくれてるらしく
そういうちょっとした気遣いが、嬉しかったりする。
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視線を窓の外に向ければ、雲ひとつない青空。
快晴、快晴。
小さな鳥が楽しそうに空をおよぐ。
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レモン味＿＿そんな爽やかな朝に、ピッタリな味だ。
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しおり - 更新頑張ってください！この作品大好きです！ (2017年8月31日 17時) (
レス) id: 4435d194ea (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - 続きがすごく気になります！ がんばってください (2017年7月10日 22時) (レス) id: 171e64a391 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - Ψ( ・ ・)Ψ碧海 さん» そう言ってもらえて嬉しいです(涙)頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - りこさん» ぜひ食べてください（笑）頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - 莉桜さん» ありがとうございます！完結に向けて頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーち
| 作成日時：2016年5月22日 15時
