14 飴ちゃん ページ14
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更に足を進めて、部屋の前まで来る。
入り口に垂れ下がっている暖簾のような物が
ひらひら揺れて、中が見え隠れしている。
おじいちゃんは見えないけど。
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耳をすませば、カサカサと誰かが動く音と
パリパリと、何かを食べてる音が聞こえてきた。
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この音…
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…ひょっとしておじいちゃん、煎餅食べてる？
店番をやらずに、煎餅？
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.
「じーちゃんあれどこー？」
「へぇ？
そこらへんにあるだろーが」
突然聞こえてきた声に、少し肩がビクついた。
おじいちゃんではない
少し低めの、優しい声。
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…もしかして、この人が
甘党な孫？
この部屋の中にいるってことは、そういうことだよね。
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なんか更に緊張してきたよ。
話しかける勇気が中々出ない。
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「そこらへんってどこー
あ、あっち？」
そう聞こえたと思ったら、人の気配が近づいてきて
サッと、私に影がかかった。
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「うわっ！
え、びっくりしたー！」
暖簾の向こうにいる甘党な孫は
私がいるのに気づいたようで、驚いた声を出した。
隙間から見えたみたい。
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でも、はっきりとどんな人が立ってるのかは見えなくて
未だに孫の顔が分からない。
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「じーちゃん、お客さん！」
「お、そうかそうか。
よっこらせっと」
甘党な孫は、私が店のお客さんだと思ったようで
おじいちゃんを呼んだ。
まあ、合ってるんだけど
今日は違う。
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ギシギシと歩く音が聞こえ
おじいちゃんは暖簾をはさんで私の前に来た。
皺くちゃな手が隙間から少し出てきて
そのままそれを上に上げた。
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しおり - 更新頑張ってください！この作品大好きです！ (2017年8月31日 17時) (
レス) id: 4435d194ea (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - 続きがすごく気になります！ がんばってください (2017年7月10日 22時) (レス) id: 171e64a391 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - Ψ( ・ ・)Ψ碧海 さん» そう言ってもらえて嬉しいです(涙)頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - りこさん» ぜひ食べてください（笑）頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - 莉桜さん» ありがとうございます！完結に向けて頑張ります！ (2017年6月30日 15時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーち
| 作成日時：2016年5月22日 15時
