10 ご近所さん ページ10
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乱れた服を直した後、Aのお母さんには
"友達の家に泊まる"
とだけ言って、外泊を許可してもらい
廉の家に向かった。
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家から出てきた廉は、
ぐったりとしたAを背負っている俺を見て
驚いた顔をしたけど
すぐに真顔になり、眉を顰めた。
静かな怒りがひしひしと伝わってくる。
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「…おま、…ここまですることなかったろ」
「………もう、…これしか浮かばなかった」
その言葉にため息をついた廉だったけど
少しは分かってくれたようで
家に入るよう促された。
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部屋に入り、Aをベットに寝かせる。
その振動で少し起きそうになったのか
眉がピクリと動いた。
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そっとベットの脇に腰を下ろし、ゆっくり頭を撫でれば
サラサラとした髪が掌をくすぐった。
しばらくすると、次第に穏やかな表情になっていって
スースーと寝息を立て始めた。
さっきのことが嘘かのように、よく眠ってる。
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「…目、明日きっとポンポンになるね」
「……、…あぁ、確かに。
ばけもんみたいになるな、これは」
ばけもんか。
廉のその言葉にちょっと笑えたおかげで
いくらか心が落ち着いた。
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まだ一緒に居たかったけど
これ以上いたら離れられなくなるから、
「……ばいばい」
そう言ってスッと立ち上がり、背を向け
廉の家を後にした。
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…それからの俺は、それはもう酷かった。
魂が抜けるって、
こういうことかっていうのが分かるくらいに。
何も考えず、ただボーっとしてた。
ぽっかり空いてしまった心の穴を埋める方法が
分からなかった。
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自分の家にいるとAの血が香ってくるから
ほとんど家にいれなかったし
机の上の写真立ても、伏せていた。
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一日のほとんどを例の原っぱで過ごして
時間潰ししてたんだけど
ある日を境に、Aも来るようになった。
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焦って最初は逃げたけど、そのうち木々の間からそっと
Aを見ているようになった。
一回ヘマをして、枝を踏んづけたせいで
バレそうになったんだけどね。
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もうAとは接触しない。
そう決めてたけど、この時間は一種のご褒美だった。
はたから見たら、ただのストーカーなんだけど。
ここが山でよかった。
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__HATSUKA__ - もし良かったら続きがみたいです！！ (2017年9月26日 6時) (
レス) id: b44eb22e04 (このIDを非表示/違反報告)
しおり - 更新待ってます。この作品今まで読んだ小説の中で一番大好きです。 (2017年8月29日 22時) (レス) id: 4435d194ea (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - 廉梨プルさん» 亀更新すぎるのにそう言っていただけて嬉しいです（泣）ありがとうございますm(_ _)m (2017年6月27日 22時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - ライムさん» お待たせしてしまいすみません（泣）そうなりますよね！笑笑 (2017年6月27日 22時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
廉梨プル(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！最高すぎます！ (2017年6月27日 2時) (レス) id: d3a947e181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーち
| 作成日時：2016年6月18日 16時
