15 ご近所さん ページ15
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「……っ、」
もう一度目が合った紫耀のその瞳は、熱を帯び
妖艶さを醸し出していた。
ドキリとなった心臓を隠すように
そのまま紫耀を見つめるけど、心中は穏やかではない。
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＿＿＿＿息が苦しい。
ドクドクドク、と早くなる鼓動が耳まで響く。
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この瞳から目を逸らせば楽になるかもしれない。
……でも、できない。
その慈愛に満ちた瞳から逸らせるわけがない。
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私のことを本当に想っていてくれていると理解できてしまうくらいに、熱く、優しい眼差し。
……あぁ、紫耀はこんな表情もできるのか。
時の流れは人や、吸血鬼をも変えていく。
無邪気に触れ合っていたあの頃とは違う何かを、ひしひしと感じる。
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もう、子供じゃないんだ。
誰かを愛せる。
そんな年になったんだね、私達。
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私もその想いに応えるよう、届きますようにと
視線を送る。
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届いたからなのかは分からないけど、
ゆっくりと伸びてくる紫耀の大きな手が
私の頬を優しく包み込んだ。
もう片方の手は、紫耀の胸のそばにあった私の手を握る。
すっぽりと、隠れてしまった。
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紫耀の親指が頬を何度も往復する。
それに照れている私を見て、目を線にしながら満足そうに笑った。
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笑いが収まり、真剣な眼差しになったと思ったら
「……なあ、……もっとこっち来て」
「え？」
急に発せられた言葉に少し反応が遅れた。
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…あなたは、私の心臓を止める気なのかな？
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「Aちゃーん？……ほら、もっとこっち」
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なんだか、恥ずかしさでいっぱいだったけど
頬にある紫耀の手に釣られるようにして
少しずつ近づいていく。
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…結局のところ
私も紫耀に触れたいんだ。
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そう自覚してしまうと、わりと心が楽になった。
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徐々に近づいていき、もう触れてしまいそう
そんな距離まで来た時。
頬を包んでいた紫耀の手が後頭部に回り、
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「…ん、いい子」
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甘い囁きの後に、唇をパクッと食べられた。
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__HATSUKA__ - もし良かったら続きがみたいです！！ (2017年9月26日 6時) (
レス) id: b44eb22e04 (このIDを非表示/違反報告)
しおり - 更新待ってます。この作品今まで読んだ小説の中で一番大好きです。 (2017年8月29日 22時) (レス) id: 4435d194ea (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - 廉梨プルさん» 亀更新すぎるのにそう言っていただけて嬉しいです（泣）ありがとうございますm(_ _)m (2017年6月27日 22時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - ライムさん» お待たせしてしまいすみません（泣）そうなりますよね！笑笑 (2017年6月27日 22時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
廉梨プル(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！最高すぎます！ (2017年6月27日 2時) (レス) id: d3a947e181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーち
| 作成日時：2016年6月18日 16時
