12 ご近所さん ページ12
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翌朝目覚めれば、目の前にドアップの寝顔。
正体はもちろん紫耀。
私の事を抱きしめたまま眠ったようで、腰に手が回っている。
__温かい。
真夏だけど朝は涼しいから
この温もりが心地良い。
そっと紫耀の頬に手を添えれば
妙にドキドキしてくる胸。
顔ちっちゃいな、全く。
確認するように、スルリと顎のラインを撫でる。
手の位置を少し上げていき
サラサラしている髪に触れる。
顔だけじゃなくて、髪も綺麗なんてね。
どんだけ神様から良いものもらってるんだ。
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「……くすぐったいよ」
そう聞こえたと同時に、ゆっくりと開かれた紫耀の瞳。
必然的にバチッと交差する視線。
しかも寝起きの眠たそうな目ではないから
今起きたというわけではない様子。
本当、心臓に悪いから止めてほしい。
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「もう、起きてたなら早く言ってよね」
「なんかタイミングなくてさ?」
ムクッと私が起き上がれば、紫耀も起き上がる。
シングルベッドに2人。
しかも体の大きいのが1名では非常に狭い。
そして近い。
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「…朝ご飯食べてくる。
紫耀どうする?」
人間の食事は、彼には無意味だし
一応、
正式には私の家に上がりこんでないわけだからね。
まさか、2階の窓から入ってきました
なんて言えないし。
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「んー、一回帰ろっかなぁ。
また戻ってくるけど」
「おっけー」
紫耀はベットから降りて、窓に近づくと足をかけ
私に笑顔で手を振ってから、ひょいっと飛び降りた。
物音がしない感じからして
転落はしてないみたいだけど。
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「………」
気になって、恐る恐る窓から覗けば
柵を綱渡りのようにして渡っていく紫耀の姿があった。
柵の幅、3センチもないよね。
まるでそこらへんにある歩道を歩くがごとく
簡単に進んでいってるけど。
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「…吸血鬼恐るべし」
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__HATSUKA__ - もし良かったら続きがみたいです!! (2017年9月26日 6時) (レス) id: b44eb22e04 (このIDを非表示/違反報告)
しおり - 更新待ってます。この作品今まで読んだ小説の中で一番大好きです。 (2017年8月29日 22時) (レス) id: 4435d194ea (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - 廉梨プルさん» 亀更新すぎるのにそう言っていただけて嬉しいです(泣)ありがとうございますm(_ _)m (2017年6月27日 22時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - ライムさん» お待たせしてしまいすみません(泣)そうなりますよね!笑笑 (2017年6月27日 22時) (レス) id: dc2e1c9eaa (このIDを非表示/違反報告)
廉梨プル(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!最高すぎます! (2017年6月27日 2時) (レス) id: d3a947e181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーち | 作成日時:2016年6月18日 16時