表情のない空 弐

第陸拾肆話 ページ19

Aside


ずっと味方をしてくれた二人。

感謝してもしきれないだろう。


それなのにこんなに嬉しい言葉をもらってもいいのだろうか。


いや、二人は嘘をつくような人ではない。

少しだけ自分のことを認めてもいいかもしれない。


蟲「Aさん、まず最初にお詫びさせてください。」



柱「ごめんなさい。」



蟲「先程言った通り私たちはAさんではなく、愛華さんのことを信じました。許してもらおうなんて思っていません。ただ、今は前と同じように……いや、前よりも大切に思っています。ですが……Aさんは私たちを嫌いになっていると思います。」


しのぶさんの言葉を聞いて、息を呑んだ。

そして


『ﾋｯｸ……ﾋｯ……。』


涙が溢れた。

温かい涙が。


柱「!?」


『ごめんなさい……ごめんなさい。しのぶさん、嬉しくて……ﾋｯｸ……温かくて。ずっとずっと




みなさんが大好きです。




……私に感情をくれて、思い出をくれて、ありがとうございます。』



私は心からの笑顔で言った。

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